全国の有権者から1130件近くの意見・建議が国会に寄せられる(1)
2013年10月21日付 VietnamPlus 紙

 第13期国会第8会期の準備に向け、ベトナム祖国戦線中央委員会議長団は、国会常務委員会と協力し、全国の有権者及び国民(訳注:以下「有権者」に統一)から寄せられた1,129件の意見、建議を国会に送るべく取りまとめを行った。
 (意見、建議の中で)全国の有権者は、国会、政府、各レベルの政権(訳注:主に地方レベルの人民委員会(行政機関)と人民評議会(執行機関)を総称したもの)が、生産活動の回復と発展、国民生活の安定、政治の安定の確保、社会の安全秩序の維持、国家主権の堅持、戦略的パートナーシップ関係の拡大、多くの困難と試練に満ちた今日の状況下において党と国家に対する国民の信頼強化のため、努力を惜しまず解決に取り組んでいることを評価した。
 国会第5会期に有権者が建議した多くの問題については、政府が、経済成長の促進、インフレ抑制、価格安定、輸出の増加と外国投資の誘致、社会保障の確保、国民生活の段階的改善に向けた働きかけの積極的な実施と対策、海、漁場に従事する漁民への迅速な補助、祖国の島嶼の主権保護のための寄与などについて、意見を集約し解決策を講じるよう各国家機関に指示した。
 国会活動には多くの刷新された側面があるとして評価された。その上で、有権者は、国会第6会期においても、引き続き国会が立憲、立法、最高監察の活動、国の重要問題の決定において、質と効果を刷新するとともにより一層高めるよう期待を表明した。
 全国の有権者から寄せられた意見は、1992年憲法と土地法、企業の生産活動と国民生活、医療・食品の安全衛生・環境の分野、交通及び運輸交通安全の状況、汚職と無駄遣いの防止の5つの基本的内容に集中している。


   憲法及び土地法改正についての関心

 有権者は、国会が、国民の意見を誠実に聞き入れ、1992年憲法及びそれ以前の憲法の諸規定はいまだ適合していて継承される必要があり、ベトナムの政治・国家体制の本質に属す原則的諸問題が引き続き確認される必要があるとの合理的な意見を最大限採り入れるよう期待を表明した。(有権者の意見として、)ベトナム国家は以下のような国家であることを示している。すなわち、ベトナムは、ベトナム共産党が指導する人民の人民による人民のための社会主義的法治国家であり、プロレタリアート階級と農民階級及び知識人階層間の同盟を基礎として、すべての権力は人民に属し統一性をもちながら、立法権、行政権、司法権の行使において各機関の間の分担、調整及び監視を有し、社会主義を志向する市場経済を発展させ、人民の合理的かつ正当な権利と利益を保護する代理人としてのベトナム祖国戦線が、祖国の建設と防衛事業の中で民族大団結精神を発揮させ、全人民所有に属する土地を国家が所有主の代理人として統一して管理を行う。
 土地法改正案に関し、多くの有権者が関心を寄せ建議した内容は土地の収用問題である。国防・安全保障と国家の利益目的の場合に行う土地収用に関する規定については高い賛同が得られているものの、その一方で、社会経済発展目的の場合の土地収用については依然として疑問が抱かれている。有権者は、政府に対し、土地収用に際し国家、国民、投資家間の利益の調和を緊密に確保する規定を有する必要があると建議している。


   農民のための直接的かつ効果的な支援の枠組みと対策が必要

 有権者は、本年9月の経済・社会情勢が引き続き変化しているものの、マクロ経済は真に盤石ではなく、一部の経済指標は計画を達成していないと述べた。その上で、有権者は、国会、政府が、質の高いコメの供給及び農機具購入のための借入或いは助成金の支給、農産物の価値に見合った生産の方向性を打ち立てた農民に向け、価値を高めるための農産物の価格と市場に関する情報提供など、農民のためより直接的かつ効果的な支援の枠組み、対策を講じる必要があると建議した。
 2014年、国会と政府は、肥料、獣医薬、除虫剤、家畜飼料の生産と取引について、厳重な監査と処分に集中する必要がある。また、農民に対し、より効果的な職業訓練支援を行ない、灌漑、道路、電力の整備などインフラ建設に引き続き投資し、農産品の消費を連携して支援を行ない、輸出に向け農業生産を方向付ける必要がある。国家は、農民が耕地を放棄しないための政策を策定し、貧困削減と飢餓撲滅のための各種プログラムを強力に実施し、農村、山岳地域、少数民族地域の発展のための政策を打ち出すことが必要である。
 これまで、幾つかの地方住民、とりわけ中部の各省と南部カマウ省、北部ラオカイ省の住民は天災によって困難に直面してきた。特に、先日、台風10号と台風11号が中部地方に上陸し極めて深刻な被害をもたらした。従って、政府、各省庁・部門、全国民は、被害を受けた地方の住民と政府が台風被害を早期に克服できるよう、迅速かつ適切な措置を講じる必要がある。有権者は、政府が、農業・農村開発省、商工省、天然資源・環境省、各部門、各レベルの政権に森林保護、灌漑、洪水対策の事業に関心を寄せるよう指導することを建議した。また、特に中部地域の住民が台風の被害を受け尚且つ浸水被害の影響も受けねばならないような現状を打開するため、貯水ダム、水力発電ダムの工事の質と安全の確保において、関係省庁・部門の責任を明確に規定し緊密に管理を行わねばならない。各関係機関は、迅速に対応すべく、台風、洪水、その他自然災害の早期予測の精度を上げていく必要がある。
 有権者は、党と国家が革命の功績のある人々に関心を寄せていることを高く評価し、全国規模で着実に活動してきた「報恩運動」が、近年、拡大されかつ深みを増してきて、ベトナム人の文化における美点となったと述べた。しかし、現在、多くの地方では未だ革命功労者に対する政策が解決していないケースがあり、とりわけ青年突撃隊の隊員、枯葉剤が撒かれた地域で戦闘、活動を行っていた人々に対する政策の問題はまだ解決されていない。また、革命功労者に関する幾つかの政策・制度も未だ不首尾があり公平ではない。
 有権者は、労働・傷病兵・社会問題省が各レベル、各部門と協力して、革命功労者、特に革命期の青年突撃隊、枯れ葉剤に汚染された抗戦参加者、秘密活動を行った兵士、烈士の遺骨収集業務を対象とした政策の実現にかかる諸々の支障を除き、解決するための調査、洗い出しを行うよう建議した。
 有権者は、社会保険基金の収支と管理が不十分であり、安全な基金としての保証がないことを懸念している。国営部門以外の企業では社会保険納付に関する法律違反の状況が多く発生しており、世論に不満が高まっているが、まだその処分は徹底されておらず労働者に長期的な損害を与えている。有権者は、国会、政府が、社会保険に関する法律の改正を適切なかたちで早期に行い、労働者の権利を保証すべく各企業の社会保険の納付に対する国家の管理を強化し、持続的な成長基金を確保するための社会保障基金の収支と管理の枠組みを刷新して、社会保険に関する法律違反を厳正に処分する必要があると建議した。

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( 翻訳者:佐久間凱士、奥山貴子 )
( 記事ID:363 )