食品の安全:懸念が露呈
2013年11月05日付 VietnamPlus 紙

 11月5日、ハノイにおいて、農業・農村開発省による農業用機器の品質と食品の安全管理業務委員会の会合が開催され、出席したグエン・ティ・スアン・トゥー農業・農村開発省次官は、先月中、食品衛生に違反するケースがかなりの数に上っていると指摘し、食品の検査は単に表面上行われたに過ぎず、抜本的に違反をなくすまでに至っていない状況に憂慮の念を示した。

  いまだ達成できず

 会合においてグエン・ニュー・ティエップ農林水産物品質管理局長は、(農薬散布器など)農業用機器の製造工場と農・林・水産物の生産工場に対する検査の割合はまだ高くないと述べた。
 具体的には、2013年10月までに、全国63省中40の省から通達14号の実施状況に関する報告を受けた結果、検査を受けた家畜・家禽屠殺施設のうち44.8%が初回の検査でCにランク付けされた上に、これら施設は再検査されても依然としてCランクのままであった。この中には、97.4%の家畜飼料生産工場、81.6%の家禽屠殺施設及び57.8%の獣医用薬品製造工場が含まれる。
 獣医局は、10月、ハノイで家畜・家禽屠殺施設に対する衛生検査のため、2,278の家畜・家禽のサンプルを採取し、その結果、96.66%にあたる2,202のサンプルが基準に達したことを明らかにした。
 しかし、各検疫所では80件の違反ケースについて処分が行われ、そのうち42件が警告、33件が廃棄となり、罰金総額は約530万ドンに上った。
 グエン・スアン・ホン動植物保護局長は、同局が40か国以上から輸入された5,271品目の食品検査を実施し、74の青果物サンプルを検査・分析を行ったところ、基準値を超えて(農薬等が)残留していた柿と林檎の2サンプルを発見したと述べた。
 トゥー次官は、「管理と検査の業務を強化したにも関わらず、このように、現在の食品の衛生と安全性の質に関する違反件数の実情は依然として警戒レベルにある。」との評価を下す。

  根底にメスを入れる

 このような状況下にあって、トゥー次官は、検査して処罰した後に再び違反が行われるケースがあまりにも多いため、これまでのような検査をして処罰するという伝統的な管理形態を続けていくことはできないとみている。すなわち、このことは、こうした(既存の)管理業務では十分強い警告を発することができず、多くの抜け道が残されていることを意味する。
 このため、トゥー次官は、特に月末や年末など、食品の衛生や品質に関する問題が通常最も発生する時期の食品の安全性を管理する業務を厳しく行うため、検査の強化及び違反ケースに対する厳正な処罰の強化以外にも、生産現場から消費市場までの流れに沿って、法規範文書体系、技術面での基準となる文書体系を構築する必要があると述べた。
 その一方で、トゥー次官は、動植物保護局が管理局と協力して農・林・水産物の品質管理を行い、ベトナムに入ってくる動植物から作られた食品の輸出入登録書類を審査する必要があると要請する。
 輸入状況に関し、ホン動植物保護局長によれば、これまでにベトナムは34か国に対し、動植物から作られる食品のベトナムへの輸出を認めてきたが、このうち、16か国は正式な認定であり、残りの18か国については暫定的な認定に留まっているとされる。
 トゥー次官は、専従幹部の訓練・養成の実施と並行して、食品の衛生と安全性の管理活動を各地方における新しい農村の建設プロジェクトと結びつけるかたちで強力に推進すると同時に、食品の安全性の質を確保する業務を普及させ、農民、地域社会及び管理機関にとり効果をもたらすような三者を結ぶ架け橋をつくるよう、農業・農村開発省が各下部組織に求めていることを強調した。

Tweet
シェア


 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:横田知之、讃井綾香 )
( 記事ID:398 )