プラボウォ氏、トリサクティ事件の被害者遺族と会見
グリンドラ党(大インドネシア運動党)大統領候補者であるプラボウォ氏は、トリサクティ事件の被害者遺族と会見した。
本紙情報によると、会談は10日の夕方、ジャカルタのグランド・ハイヤット・ホテルで行われ、エラン・ムルヤ・レスマナさん、ヘリー・ハルタントさん、ヘンドリアワン・レスマナさんの遺族が出席した。エランさんの母であるテティさんはプラボウォ氏との会談は認めたが、内容は明かさなかった。「それは秘密です。」と述べ、すぐさま息子に電話をかけた。
一方、ヘンドリアワンさんの母であるカルシアさんは、招待はされたが体調不良により出席できなかった、と述べた。テティさんの息子は会談の存在自体を否定した。
情報によれば、会談の中で遺族らはトリサクティ事件の解決が不明瞭であることを訴えた。また、遺族らはプラボウォ氏が大統領になるよう支持している。
1998年5月12日、トリサクティ大学における狙撃事件でヘリー・ハルタントさん、エラン・ムルヤ・レスマナさん、ヘンドリアン・ルスマナさん、ハフィディン・ロヤンさん、そしてアラン・ムルヤディさんの5人の学生が死亡した。
本紙の記録によると、共和国警察の被告人2名が軍事裁判にかけられ、それぞれ4ヵ月間と10ヵ月間の禁固刑判決を下された。
12日、トリサクティ大学の同窓会はプラボウォ氏への支持を宣言した。トドトゥア・パサリブ氏(トリサクティ大学同窓会会長)は、「プラボウォ氏は正直で勇敢、毅然としており、国民のまとまりを強めることができるだろう」と語った。
人権団体「コントラス」会長であるハリス・アズハル氏は、土曜日に遺族とプラボウォ氏の会談があったことを知っている。同氏は、トリサクティ事件の遺族は、誰が白で誰が黒、といったような思考の罠にはまるべきではないと述べた。なぜなら、トリサクティ事件は個人でなく政権の犯罪であるからだ。「プラボウォ氏自身はトリサクティ事件には関与していないのかもしれない。しかし、トリサクティ事件、5月暴動、そして誘拐事件は一連の政府犯罪である」と同氏は述べた。
ハリス氏は、政府犯罪の解決に向けての努力は本来体系的に行われるべきであると述べる。同氏は当会談がトリサクティ事件の政治的利用であることに遺憾の意を示した。
この記事の原文はこちら
( 翻訳者:三代川仁美 )
( 記事ID:712 )