5月15日午後、ハノイで行われた外務省の定例記者会見において、レ・ハイ・ビン外務報道官は，中国がベトナムの排他的経済水域と大陸棚で違法に掘削リグ（海洋石油981（以下、HD-981））を設置して以降、ここ数日間の南シナ海情勢について報告を行った。
　ビン報道官は、中国は、2014年5月1日から昂然と多くの武装船，軍用機，軍用船をベトナムの海域に入れHD-981を護衛させ、1982年の国連海洋法に則り確定されたベトナムの排他的経済水域と大陸棚の内側80海里に位置する海域にリグを設置していると述べた。ビン報道官によると、中国はベトナムおよび国際社会からの強い反対にも関わらず掘削場所を拡大し、（そこへ向かう）船の数を増やし続けているとされる。
　ビン報道官は、この間ベトナムが、中国側の誤った行為に強く反対すべく、多くのレベルと形式の下、中国と接触するための対話の窓口を厳格に堅持してきたことを強調した。
　（しかし）ベトナム側のこのような接触と善意と引き換えに、中国側は自らの誤った範囲を維持、拡大し、冒頭（HD-981を設置している周辺の）海域に向かう船舶と航空機の数を増やしている。現在までに、中国はHD-981を設置した海域に、軍用機の支援を受けた多くの海警船、海艦船、海巡船、鉄製漁船を送り続けている。
　また、ビン報道官は、ベトナムの船が懸命に自制する中で、中国は引き続き船とこれを護衛する多くの航空機を送り、強力な放水を使って、目下主権を守っているベトナムの船を威嚇、攻撃して船の設備を壊し、複数のベトナム人漁業監視員が負傷していると述べた。
　ベトナムは、国連憲章、1982年の国連海洋法条約の各規定に則り、ベトナムの大陸棚にHD-981を設置した行為およびベトナムの主権と管轄権に対する違反行為を強く非難する。ビン報道官は、それぞれの具体的な情勢に応じあらゆる措置を講じていくことを強調した。
　ベトナムが国連の各機関に本件を伝えたか否かとの質問に関連し、ビン報道官は、これ（＝自国の主権侵害に対する非難）は国連のすべての加盟国が持つ権利であり、現在、ベトナムは、国連の場で、南シナ海における中国の行為に反対する口上書を送付していると述べた。
　中国の誤った行動に反対する集会、デモにおいて多くの過激な行為が行われた2日前の事案に関する記者からの質問に対し、ビン報道官は、愛国心を表し国の独立と主権の防衛への決意を示すことは正当で自然なことであるが、このような真心の体現は法律の規定に正しく従い、世界の各民族との友好の精神に見合ったものでなければならないと答えた。
　記者会見の機会に、ビン報道官は、この間、各国、各個人、各国際組織がベトナムを支持する声を挙げたことに謝意を述べ、この極めて貴重な支持は、海と島の主権の防衛闘争においてベトナム政府と国民にとって大きな原動力となったことを強調した。
　また、ビン報道官は、トルコで発生した甚大な炭鉱爆発事故について、ベトナム政府と国民からトルコ政府と国民に対する深い哀悼の意を表明した。
　ビン報道官は、「5月14日にトルコで炭鉱爆発事故が発生し、何百もの人々が亡くなりいまだ多くの人々が坑内に取り残されたままであるとのニュースを聞き、大変な衝撃を受けている。我々は、トルコ国民、政府および亡くなった多くの方々のご家族に対し、謹んで深い哀悼の意をお伝えする。我々は、トルコ政府の救助活動によって、坑内に取り残されている被害者が早期に見つかるよう待ち望んでいる」と述べた。

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（ 翻訳者:伊牟田梨加、小泉里夏、田中洋行 ）
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