ベトナムが南シナ海情勢に関する声明を国連に提出
2014年05月21日付 VietnamPlus 紙

 5月20日、国連、世界貿易機関(WTO)とスイス・ジュネーブにおけるその他国際組織のベトナム常駐代表団は、南シナ海情勢に最近の情勢に関する声明を発出し、国連の在ジュネーブ事務局、各国際組織、ジュネーブに本社を置く各国際報道機関にこれを送付した。
 声明は、北京がベトナムの大陸棚と排他的経済水域に一方的に石油掘削リグ(海洋石油HD981。以下、「HD981」)を違法に設置した5月2日からの中国の動きを具体的に列挙した上で、こうした中国の行為は1982年の国連海洋法条約(UNCLOS)に基づいたベトナムの主権、主権的権利および管轄権に対する重大な違反であり、2002年の南シナ海における関係国の行動宣言(DOC)と二国間のハイレベルによる合意に対する違反であることを明確に通報した。
 声明は、平和的な解決策を模索するため対話の堅持を基本とすることを強調し、ベトナムが、ベトナム国防省と在ベトナム中国大使館の駐在武官間の連絡ルート、ベトナム石油・ガスグループ(Petrovietnam)取締役社長と中国海洋石油総公司(CNOOC)会長兼取締役社長間の接触を含み、本件に関し20回以上中国と連絡を行ってきたことを公表した。ベトナム外務省も、ハノイと北京の中国サイドとの8回にわたり連絡を行っており、中でも5月6日午後のファム・ビン・ミン副首相兼外相が楊潔チ中国国務委員と電話会談を行ったことは注目に値する。
 声明には、「HD981」の位置を確定する地図、第24回ASEAN首脳サミットにおけるグエン・タン・ズン首相のスピーチ、南シナ海の現状に関するASEAN各国の外相による報告、ベトナムの排他的経済水域に「HD981」を設置した際の中国の違法な行為に対する国際社会の反応についてハイライトが添付されている。
 ベトナムは、論争の余地がない歴史的証拠を前に、自国の大陸棚、排他的経済水域から、多くの支援の船舶とともに「HD981」を直ちに引き上げるよう中国に要求している。ベトナム政府は各国政府に中国の誤った行為を指摘するよう声を挙げ、石油掘削リグを引き上げ、1982年の国連海洋法条約に適合するかたちで、すべての沿岸各国の権利と利益を尊重するよう中国に求めた。中国の誤った行動は、南シナ海における航行の安全保障と安全にマイナスの影響を与え、地域と世界の平和、安定、協力を直接脅かしている。

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( 翻訳者:辛川翔太 )
( 記事ID:751 )