ベトナム枯葉剤被害者の会、フランスでの枯葉剤被害者の訴訟を支持
2014年06月13日付 VietnamPlus 紙

 ベトナム枯葉剤被害者の会(VAVA)会長グエン・ヴァン・リン上将は、ベトナム枯葉剤被害者の会がフランスでの枯葉剤被害者の訴訟を支持する事を認めた。
 在フランス越僑の枯葉剤被害者であるチャン・トー・ガー氏の訴訟に関する6月13日午後の発表で、グエン・ヴァン・リン上将は、ベトナム戦争中の1961年から1971年にアメリカが南ベトナムに8000万リットル近い枯葉剤を散布し、その中の61%がオレンジ剤であり、480万人のベトナム人が曝露し、そのうち300万人が枯葉剤被害者となったと明らかにした。
 ベトナム人民のみならず世界各国で多くの人々が、この大量殺人兵器の被害者となっている。そのため、枯葉剤被害者の正義のための闘争に向けた国際的な団結は日々強まりつつある。特に6月11日には、戦争中にベトナムでオレンジ剤に曝露したベトナム系フランス人のチャン・トー・ガー原告の代理人であるウィリアム・ボードン&フォレスター弁護士事務所(フランスのパリ市)が、フランスのエヴリー市の裁判所にアメリカの化学会社に対する訴状を提出し、原告への賠償を求めた。
 リン会長は、ベトナム枯葉剤被害者の法的・道義的代表のNGOとして、ベトナム枯葉剤被害者の会はチャン・トー・ガー氏に賛同と精神的支持の意を示し、可能な範囲で彼女を物質的に支援し、訴訟過程での彼女の困難を軽減したいと述べた。
 同会はまた、フランスのエヴリー市裁判所には、枯葉剤被害者であるチャン・トー・ガー氏の権利を擁護する裁判を行うために早急に書類と手続きを整えることを求めた。全ての枯葉剤被害者達には、より一層の団結をし、化学兵器や各種破壊兵器の使用を阻止するという共通目標に向かって共に闘う事を求めた。また世界中の人々、政府、組織、個人には、枯葉剤被害者、特にベトナムの枯葉剤被害者を支持するために直ちに行動する事を求めた。
 ガー氏の弁護士であるウィリアム・ボードン氏がエブリー市裁判所(フランスのエソンヌ県)に提出した訴状は、アメリカ政府がダイオキシンの結果であると認めた15の病状を列記している。訴状は5月初頭、連帯しているアメリカの30社以上に送付され、届けられた。その内の2社はMonsanto社とDow Chemical社である。
 チャン・トー・ガー氏は1942年生まれの新聞記者。ベトナムでの抗米戦争が最も激しかった時に解放通信社(現ベトナム通信社)の戦場特派員となった。1966年から彼女は南部のクチ、ビンロン、ホーチミン・ルートのような、有毒物質が最も多量に散布された地域に住み、仕事をしていた。ガー氏は3人の子供を生み、長男は心臓奇形のため亡くなり、2番目の女の子は彼女からの遺伝でα-サラセミア(血液の病の一種)を患った。
 戦後、ガー氏は夫と別れ、1人で幼子2人を育て、そして教育分野の仕事に携わり始めた。定年退職するまで、彼女は仏越二国間を結びつける慈善活動に参加するため多くの時間を割いてきた。彼女はフランス国家よりレジオン・ドヌール勲章を授与された。2012年より、彼女の全身には曝露の痕跡である無数の発疹が現れた。現在、彼女は更に多くの病を患い、その中には重度の結核もある。

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( 翻訳者:横田知之 )
( 記事ID:886 )