枯葉剤被害者に対する政策の実施状況を検証
2014年07月02日付 VietnamPlus 紙
7月2日、ドンナイ省において、ベトナム枯葉剤被害者の会は「枯葉剤被害者に対する政策の実施状況を検証する」シンポジウムを開催した。
シンポジウムにおいて、ベトナム枯葉剤被害者の会副会長のグエン・テー・ルック氏は、シンポジウムが開かれたのは同会中央が、有毒な化学物質に汚染された人に対する政策の課題や不備を把握するためだとした。
ドンナイ省から寄せられた意見や提案は同会中央に集約され、所管官庁に上げられる。特に、ビエンホア飛行場(ドンナイ省)は今でも全国で最もダイオキシン濃度が高く残留している場所で、国はダイオキシンが周囲の環境に拡大するのを一時的に防ぐための設備を建設し、ダイオキシン濃度の高い9万立方メートル余りの土を隔離して埋め、処理をした。
シンポジウムでは、多くの代表者は現在の枯葉剤被害者に対する国家政策はまだ不備があると言及した。1975年以降に軍隊に入った多くの人がダイオキシンの被害を受けているが、政策の対象外となっている。抗戦には参加していなかったが、ダイオキシン汚染地域に暮らしていてその被害を受け、身体に障害がでたり奇形になった人々も、現在、これに対応する制度はまだできていない。
枯葉剤被害者の会中央によると、現在、全国の約480万人が枯葉剤に汚染されている。
戦時中、ドンナイ省は最も多量に有毒化学物質を散布された省で、その量は約1000~8000万リットルに及ぶ。その50%がダイオキシンであり、米軍はドンナイ省の総面積の56%以上に散布した。
また、ビエンホア飛行場は貯蔵倉庫であり、有毒物質を散布する飛行機に搭載し、散布後の飛行機を洗浄したため、現在でも全国でダイオキシンの残留濃度が最も高い。
ベトナム枯葉剤被害者の会副会長グエン・テー・ルック氏によると、ベトナムの枯葉剤被害者に対する政策は、現在、戦争に参加した人やその子弟だけに集中している。しかし実際には、ダイオキシン被害者は民間人にも非常に多くいる。
これまで、枯葉剤被害者のための政策は実施時にまだ課題があり、これにより全国では非常に多くの書類が未処理のままとなっている。
ドンナイ省労働傷病兵社会局副局長のホー・ヴァン・ロック氏は、ドンナイ省は1800人の抗戦活動家と有毒化学物質に汚染して生まれてきた子供に対する優遇制度(毎月70万ドン以上から毎月約280万ドンまでの4レベル)を実施していると明らかにした。
有毒化学物質の被害者に対する政策を実施する過程では、いくつかの不備も露呈した。典型的なのは、毎月の手当を受給している枯葉剤者である抗戦活動参加者の親族の規定である。彼らは医療保険の20%を支払っているが、これは適切ではない。
有害化学物質被害者の抗戦活動参加者で書類を全て失ってしまった人の確認については、いまだに何の指針もない。
優遇制度を受けるための、抗戦活動参加やダイオキシンに関する疾病などの書類の確認は依然としてまだ不十分で不正確である。これにより抗戦には参加していないにも関わらず、規定に反して優遇制度を受けるために書類を作成する者が現れるというような状況を招いている。
ドンナイ省の枯葉剤被害者の会によると、同省には1万3000人の有毒化学物質被害者がいて、そのうち抗戦幹部とその子供は約5000人を占め、残りは民間人である。
現在優遇制度を享受している有毒化学物質被害者1800人の抗戦活動家とその子弟の他に、ドンナイ省は1400人近くの民間人を対象に社会手当を支給している。
過去数年、同省被害者の会は、3000人以上の被害者を支援するために340億ドン余りをかき集めたが、ドンナイ省のダイオキシン被害者のいる70%の家庭は依然として困難な状況に陥っている。
同被害者の会は中央の各省庁・各部門に、有毒化学物質被害者で革命に功績のある人を優遇する政策・法律の実現における課題の早急な解決を求めた。
労働傷病兵社会省は、ダイオキシンに汚染した国民に対する政策・制度を一歩一歩解決していくため、策を講じる必要がある。
( 翻訳者:石井恵梨、樋口由里子 )
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