ベトナム中部7つの省におけるSPELLプログラム10年間の足跡
2014年06月29日付 VietnamPlus 紙

 地方に直接、総額およそ3.7兆米ドルの財政支援を10年間実施した後、東西再結合基金(訳注:East Meets West Foundation。1988年に米国で設立された東南アジアと南アジアで活動する非政府組織)のSPELL(識字と学習向上のための奨学金プログラム)の学習支援プログラム(以下、「SPELLプログラム」)により、中部の7省で経済的に特に困窮している生徒に向け、およそ40,000回の奨学金が支給された。
 SPELLプログラムは、2004年、東西再結合基金がベトナムで貧困下にある生徒を援助し、彼らが貧困を脱して、教育を通じ明るい将来に向かっていくことを目指し設立された。
 学業放棄を防止し学習の質を高めるため、SPELLプログラムは、クアンビン省、トゥアティエン=フエ省、ダナン市、クアンナム省、クアンガイ省、ビンディン省およびフーエン省の中部7省・都市で最も困窮している10%の家庭の生徒たちを援助している。
 10年間の活動を通じ、SPELLプログラムは多くの見るべき成果を達成した。85%の小学校では、同プログラムに参加して以降、学業を放棄する生徒の割合が減少した。SPELLプログラムに参加した生徒のうち、高校に進学した生徒は85%で高校を卒業した割合は97%に達する。毎年、多くの生徒が全国レベル、省・都市レベルの水準に達している。
 ベトナム学業推進協会のチャン・スアン・ニー副会長は、SPELLプログラムは子供たちが学校に行くよう支援するだけでなく、子供たちの学力向上のための原動力にもなっていると述べる。SPELLプログラムは国の教育普及に貢献してきた。
 東西再結合基金のグエン・ミン・チャウ所長は、「子供たちにとっての成功(の秘訣)は、自分らの潜在能力を実感すること。(子供たちが)現状を乗り越えるため支援することが必要なだけで、子供たちはより素晴らしい未来を得られるだろう。子供たちはまさに家族が貧困から脱するのを助け、繁栄する社会を作る要素である。子供たちの成功は、常に、このプログラムの実施主体が自らの仕事を続けていくための大きな励ましの源である」と述べた。
 2010年に、大学で学生たちが学問の道を引き続き追求できることを目標に、大学生向けのSPELLプログラムが設立された。現在までに、このプログラムは、大学のクラスで夢を実現したいという困難な状況下にある130名の学生のため支援してきた。
 初めてこのプログラムに参加したダナン外国語大学2年生のレ・ティ・キム・ホアンさんは、「このプログラムは、私が自らの夢を叶えるために多くの支援をしてくれました。私が特に感じたことは、このプログラムには、そこに携わる大人たちの慈愛の心と責任感があるということです。長い間、私はここ(プログラム)が二つ目の我が家だと思っています。私は、すべての人が信頼と期待を裏切らないため、自らの力を尽くして学び困難を行動に変えていきます」と語った。

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( 翻訳者:坂崎由衣、田中裕也 )
( 記事ID:959 )