熱帯の国ベトナムには、一年中果物がとれる肥沃な土地である南西部を中心に、他の国ではあまり見られない果物が数多くある。
　最近、アメリカの市場がベトナムからの果物２種、竜眼とライチに門戸を開き、これに続きアメリカや日本、オーストラリア、ニュージーランド、台湾などの気難しい市場に、ミルクフルーツ、ドラゴンフルーツ、ランブータン、ライチ、マンゴーなどのベトナムの特産品が導入される予定だという喜ばしいニュースがあった。これはベトナムの果物が世界市場を制覇する好機である。
　農業・農村発展省植物防御局長のグエン・スアン・ホン氏によると、果物輸出に関しベトナムにはどの国もが持てるわけではない強みがあるという。例えばベトナムのドラゴンフルーツは世界一美味しく、マンゴーやライチもとても美味しく、多くの国が輸入したいと考えている。
　グエン・スアン・ホン氏は、アメリカがベトナムのドラゴンフルーツとランブータンの他にライチと竜眼の輸入を追加することは、ベトナムの果物がアメリカやその他の気難しい市場により深く浸透する機会を広げ、同時にベトナムの青果輸出企業の中国市場への従属を減らし、安定的な成長を確保する機会であると考えている。
　しかしグエン・スアン・ホン氏は果物をEU、日本、アメリカといった気難しい市場に輸出するには、食品安全に関する要求に対応しなくてはならず、放射線照射による植物検疫や熱処理の必要があると警告もしている。また、栽培地コード、包装コード、工場コードなど原産を追跡できるシステムをもつ大規模作付地にする計画を策定、実施しなければならない。
　これまでのドラゴンフルーツとランブータンのアメリカ、日本、韓国への輸出を振り返って、第２輸入後植物検疫センター所長であるグエン・フー・ダット氏は、2008年からドラゴンフルーツをアメリカ市場に輸出し始め、それ以降今までの輸出量は絶えず増加し、100トン（2008年）から2014年上半期までに1000トンに達していると述べた。
　タイやメキシコとの競争は激しいが、ベトナムのランブータンはタイやメキシコと異なる時期に生産できるという利点があるため、アメリカに輸出されるようになった2011年11月から今まで、その生産量は安定している。日本と韓国に輸出されるドラゴンフルーツの量は約4900トンに達し、2014年上半期だけで1000トンに上る。
　「各企業は、ココナツのように当然アメリカに入れられる果物を上手く活用したり、アメリカや日本へのバナナの輸出量が増加すべきだ、なぜならバナナはまだ熟していない時点で収穫すればよく、放射線照射や熱処理を行う必要がないからだ。」と、グエン・フー・ダット氏はアドバイスしている。

Tweet

この記事の原文はこちら

　同じジャンルの記事を見る

（ 翻訳者:小泉里夏、坂崎由衣、讃井綾香、樋口由里子 ）
（ 記事ID:1092 )