第13期国会第８回会期の開幕プログラムに続き、10月20日朝、国会は2014年の経済・社会情勢と2015年の任務に関するグエン・タン・ズン首相の報告を聴取した。

　　　年間経済成長率は5.8％の見通し
　政府は、2014年、世界経済の回復のスピードは予測よりも遅く、世界各地で紛争が発生するなど複雑な変化が多々起きていることを報告した。また、東シナと南シナ海でも緊張が高まっている。しかし、ベトナムではすべての政治システム（訳注：共産党、国会、政府等、国の根幹を構成する各機構を指す）、全国の同胞、ビジネス・社会経済コミュニティが懸命に努力し、前向きに変化し続けている。
　インフレはコントロールされ、マクロ経済はより安定している。経済は引き続き成長しており、９か月間のトータルで5.62％成長（２年前の同期比よりも高い）に達し、本年全体では約5.8％を達成すると見込まれる。消費者物価の上昇速度は大幅に減速しており、９か月間で2.25％（過去10年間で最も低い）に止まっている。本年は５％以下と予測される。
　経済の総体的な再構築が積極的に実施されている。経済は多くの困難を抱えている状況にあるが、文化、社会を発展させ社会保障を確保するため、国家予算からのリソースを増やす方向で財政配分されており、それと同時に社会化（訳注：教育、医療などこれまで国が管理していた分野の事業を民間部門が担うこと）も促進している。

　　　生産活動では多くの困難に直面
　しかし、投資環境と競争力の面については依然として改善の動きが遅い。行政手続も未だ多くの問題を抱えている。（民間）企業は借入れにアクセスすることが難しい。解散、あるいは操業を停止した企業の数も多い。公的債務も急速に増加している。2014年の財政収入に対する政府の直接債務比率は約14.2％（「公的債務戦略」によると公的債務は25％を超えないことと規定される）であるが、短期債務やODAの返済を含めると約26.2％となる。
　総需要の増加も遅々としている。本年年初の数か月、借入需要は伸び悩んだ。不良債権の割合は高く、その処理は依然として遅れている。投資のためのリソースの調達はニーズに応えていない。証券市場は盤石に発展していない。不動産市場も回復が遅い。輸出総額のうち国内の経済分野による輸出が占める割合は依然として低い。市場管理や不当売買、価格転嫁防止の効果も高くない。

　　　2015年の経済成長率目標値は6.2％と予測
　こうした問題認識の下、政府は2015年の総体的な目標として、「マクロ経済の安定の強化」を定めた。戦略的な各種対策と経済の再構築を進め、成長モデルの転換、生産能力、生産効率、競争力の向上につなげ、2015年には前年よりも高度で盤石な経済成長の達成に向け奮闘する。
　引き続き社会・文化を発展させ、環境保護と国民生活の改善を進める。行政改革を推進し、汚職・無駄遣いを防止する。国防・安全保障を強化し、国家の主権を堅持し、政治の安定と社会秩序を確保する。対外活動と国際社会への参入のための業務を効果的に進める。
　政府が国会に提出した社会・経済分野に関する各指標の2015年の予測値は、GDPの成長率約6.2％、消費財上昇率約５％、貧困率1.7％~２％の減少、特に貧困県は４％の減少、160万人分の雇用創出が示された。
　引き続き、国会は、ベトナム祖国戦線中央委員会のグエン・ティエン・ニャン議長が有権者からの意見、建議をまとめた報告を陳述した。さらに、国会経済委員会のグエン・ヴァン・ザウ委員長が、2014年の社会・経済情勢と2015年の任務に関する審査報告を陳述した。
　また、午前中の討議では、政府監査院のフイン・フォン・チャイン総裁が、政府首相の委任を受け、2014年の汚職防止業務に関する報告を陳述した。国会司法委員会のグエン・ヴァン・ヒエン委員長が同業務に関する監査報告を陳述した。
　開幕式では、ファム・ヴー・ルアン教育訓練大臣が、政府首相の委任を受け、普通教育のプログラムと教科書内容の刷新についての提案に関する上程書を陳述した。また、国会文化・教育・青少年問題委員会のダオ・チョン・ティ委員長が同提案に関する監査報告を陳述した。
　20日午後、国会は、2014年の国家財政の決算報告、2015年の国家予算報告および中央部門に対する予算配分案の報告を聴取する予定である。

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（ 翻訳者:旭泰広、添田樹紀 ）
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