ベトナムにおける弁護士数の地方間格差
2014年10月10日付 VietnamPlus 紙
10月10日、ホーチミン市において、司法省は改正弁護士法の実施と2020年までの弁護士の発展戦略に関するシンポジウムを開催した。
司法省司法補助局の指導部によると、現在、ベトナムの弁護士数は、都市部と農村の間で均等に配分されておらず、特にホーチミン市とハノイ市など主に大都市に集中している。
組織化された弁護士(訳注:弁護士営業組織のこと。以下では「法律事務所」と称す)もまだ小規模で主に事務所形式に止まっており、弁護士が訴訟に参加しても限界が見られ、特に刑事事件の捜査段階において多くの弁護士が困難に直面している。
2014年9月15日までの統計によれば、全国には弁護士の資格を持つ者が11,285名、法律事務所は3,408団体ある。
2014年年初から6月30日まで、全国の弁護士は70,000件以上の事案に携わり、約700億ドン(約330万ドル)の収益に達した。
一方、全国では、400名近くの外国人弁護士と67の外国の法律事務所が許可を得て活動しているが、2014年上半期に、これらは4000件以上の事案に参加し、収益は7,000億ドン(約3,300万ドル)近くに上った。このことはベトナム人の法律事務所に比べ、外国人の法律事務所のほうがより効果的に活動を行っていることを示している。
シンポジウムでは、多くの弁護士団(訳注:地方ごとに組織される弁護士会のこと。以下では「弁護士団」と称す)の代表が、改正弁護士法を通じ、弁護士、法律事務所および弁護士団の役割と活動が力強く包括的に発展し、弁護士の地位が向上していると述べた。
しかし、弁護士の活動は市民、団体、企業からのニーズ、またグローバル経済の要請に見合っていない。
多くの弁護士団は活動経費が不足している。プロ意識に欠け、外国語を解さず、サービス精神が不足している弁護士も少なくない。法律事務所も小規模で、(事務所間の)連結性が脆弱であり、営業収入も高くない。
シンポジウムで、一部の弁護士は、ベトナム弁護士連合会が司法省と協力してグローバル時代の弁護士訓練育成センターを早期に設立し、特に若い弁護士が時代に遅れることなく訓練育成プログラムを学び専門性を向上させることができるようにすべきであると述べた。
そのほかにも、地方政権、中でも公安、人民検察院、人民裁判所は弁護士の活動効果を高めるため弁護士団との協力枠組を持つ必要がある。
政府首相により承認された2020年までの弁護士発展戦略によると、2020年までに、全国で専門性の高い約20.000名の弁護士育成に向け努力する。国民4,500名あたり1人以上の弁護士割合を達成し、社会経済面で困難を抱えるそれぞれの地方には30~50名の弁護士を配置する。訴訟を行う機関からのニーズに則り、刑事事件への参加率100%を確保するよう目指す。
また、2020年までに、50~100名規模の法律事務所を約30団体、また外国投資、外国ビジネス、貿易の分野で活動する専門性の高い弁護士を100名以上育成するよう努力する。
現在、ベトナムでの弁護士の割合は、平均して国民14.000名に対し1人であり、タイ(1/1,526)、シンガポール(1/1,000)、日本(1/4,546)、フランス(1/1,000)、アメリカ(1/250)に比べ大きく下回っている。
ベトナムでは、弁護士の数が主にハノイ市とホーチミン市に集中している一方で、弁護士団の設立に必要な弁護士数3名がいない地域もある。(訳注:改正弁護士法は、省・中央直轄都市に、弁護士免許を所有する者が3名以上存在する場合には、弁護士会(=弁護士団)を設立することができると規定している。)
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( 翻訳者:松本愛理 )
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