ジョコ大統領国軍に問う、なぜ違法漁業の追及が不可能なのか
2014年11月30日付 Kompas 紙
イスタナ・ボゴールで行われた軍管区司令官らとの会談で記者に対して語るジョコ・ウィドド大統領(中央)とユスフ・カラ副大統領(右)。
ジャカルタ、kompas.com配信
ジョコ・ウィドド大統領は軍管区司令官らとの会談を期に、国軍、特に主要兵器システムの問題を掘り起こした。ジョコ大統領はインドネシアの海を違法漁業から守るうえで国軍が直面している困難について尋ねた。
「我々の主要兵器システム状態はどのようであるか、また石油燃料の状況はどうか、なぜ違法漁業やその他に違法の伐採などを取り締まることができていないのか、根本的な問題はなにか、これらについてはすべて伝えられている」と、ボゴール宮殿で会合をおえたジョコ大統領は述べた。
ジョコ大統領は、違法漁業行為への監視の弱さという根本的問題については、詳細な言及はしなかった。
インドネシア国軍のモエルドコ最高司令官は以前、インドネシア海軍はインドネシアの海において、巡視船を運行するための予算不足のせいで、違法漁業を監視するのが難しいと述べた。「これまで、我々はプルタミナ(インドネシア国営の石油・ガス関連会社)に借金をし、それはますます増加している。最終的な借金は約6兆ルピアだ。それが帳消しにしてもらえるかどうかはわからない」とモエルドコ最高司令官は去る17日に大統領官邸で発言した。
モエルドコ最高司令官は現在インドネシア海軍が所有する船は64隻だと述べた。これらの艦隊はフリゲート艦 、コルベット艦、巡視船、潜水艦、水路調査船、地雷除去船からなる。インドネシア海軍がもつ高性能の技術をひきあいにして、モエルドコ最高司令官は冗談を放った。「これでは小さな漁船対戦艦だ。大砲を使って蚊を落とすようなことはしてはならない」
その海軍が所有する船は高性能であるけれども実際は燃料油不足で操縦することはできない。ついには監視されないインドネシアの海域は広くなった。「船の数は充分である。ただ、もう一つ、その船を動員するための障壁がとてつもなく大きい。動員のためには、やれやれ、千万トンもの燃料油をなんとかしなければならないというわけだ」とモエルドコ最高司令官は語った。
インドネシア海軍のトップであるマルセティオ海軍大将によると、インドネシア海軍の巡視船に必要な石油燃料は、理想的な数値では年間560万キロリットルにのぼる。しかし、現在の状態は理想とは程遠い状態にある。「必要量に対し、たった13%の石油燃料しか手に入らない。そのため、一日に7~15隻の巡視船を出すので精一杯である。60~70隻の巡視船を出す準備は整っているのだが」と、マルセティオ大将は述べた。
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( 翻訳者:小倉淳寛 )
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