1月29日、ボゴールの大統領別邸にてジョコ大統領と面談を行ったグリンドラ党のプラボウォ党首。
ジャカルタ、kompas.com配信
インドネシア共和国国家法の専門家であるレフリー・ハルン氏は、闘争民主党が、ブディ・グナワン現警察中将の次期共和国警察長官への任命に関し、民衆の意に反する決定を下す場合、民衆との間に深い溝がうまれることになるだろうと予測した。
ブディ中将には現在、汚職撲滅委員会より汚職の嫌疑がかけられている。そのため、民衆はジョコ大統領に対し、ブディ中将を共和国警察長官には任命しないよう求めている。
「民衆の意見をないがしろにした場合、板挟みになるのは闘争民主党だ。得ていたはずの信頼を失って立場を危うくするだろう。この先2カ月は、ジョコ氏を支持するのは紅白連合(注釈1)のみになってしまうだろう」
とジャカルタのコーヒーショップ「バクル・コーヒー」でレフリー氏は述べた。
さらに、レフリー氏によると、現在「紅白連合」は、ジョコ大統領のブディ中将に関する決定に従う意向を示しているという。
「”世界”は一転してしまったのだ」とレフリー氏は言う。
「紅白連合」は、ジョコ―カラ政権の政策に対して批判的な立場であるとみられる複数政党の連合である。
レフリー氏によると、ジョコ大統領がとるべき最善の策は、法律、民衆、政府を考慮し、ブディ中将を警察長官として任命しないことであるという。
「最善策は、任命しないことである。まして、ジョコ氏やプラボウォ氏、ハビビ氏、もしくはアブリザル・バクリ氏やユドヨノ氏が一堂に会する場での任命などもっての他である。ジョコ大統領ではなく、闘争民主党全体が苦境に立たされることになる」とレフリー氏は述べる
レフリー氏は、歴史的にみても、コンポル・ノフェル事件*註釈2 の時もそうであったように、汚職撲滅委員会が共和国警察と対峙すると、二者間に大きな軋轢が生まれるという。そのため、最良の方法とは、共和国警察と汚職撲滅委員会の間に問題の種を持ち込まないことである。
また、レフリー氏は「汚職撲滅委員会側のブディ中将に対するひたすら妥協のない取り調べ、そして、共和国警察側のバンバン・ウィジョヤント事件*註釈3 の解決を期待したい」と述べた。
野党連合がジョコ大統領に歩調を合わせるというサインはグリンドラ党のプラボウォ・スビアント党首のボゴールの大統領別邸でのジョコ大統領訪問によって示されている。
プラボウォ氏は、記者団への説明の中で、次期共和国警察長官の任命に関し、ジョコ氏の決定に従う意向を明らかにした。
*注釈1グリンドラ党を中心とした、同党のプラボウォ党首を支持する政党の連合
*註釈2 2012年、汚職撲滅委員会による警察の無免許運転取り締まりに関する汚職の取り締まり調査官に任命された警察が別件で逮捕された事件。警察による汚職の隠ぺいが疑われた。
*註釈3 去る1月、インドネシア国家警察はバンバン・ウィジョヤント汚職撲滅委員会副委員長を、法廷での偽証強要の疑いで逮捕した。
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( 翻訳者:柳谷光咲 )
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