ベトナムはASEAN経済共同体に参加する用意ができている
2015年01月22日付 VietnamPlus 紙

 ASEAN経済共同体(AEC)に参加すれば競争はより激化するとされるが、政府のポータルサイトが1月22日午後ハノイで開催したセミナー「AECの課題の解消」で出た意見のほとんどは、統合は成功するというものだった。
 ハノイ国家大学の傘下にある経済大学のグエン・ホン・ソン学長(博士)は、「AECに正式参加すれば、ベトナム経済は多くの変革を目の当たりにすることになるであろう。最も重要な点は、やはり市場と生産拠点が統一されることだ。さらに、法人税は0%まで徐々に引き下げられるが、これは、輸出や投資の誘致、経済成長の推進にとって大きなメリットになるであろう」と述べた。さらに、「AECに参加すれば、ベトナムの国内改革が強力に後押しされるであろう。特に、新たな局面に対応すべく、経済システムや国際通商政策が改善され、企業の競争力向上が進むであろう」と分析した。
 しかし、課題も少なくない。ベトナムの多くの企業の競争力は依然低く、国内の市場を失いかねないというリスクは非常に現実味を帯びている。ソン学長によると、具体的に言えば、ここ数年、ASEAN諸国の製品がベトナムの市場にあふれていて、これまでにベトナムの大手小売ブランドの多くが買収された。直近の例だと、ベトナムのメトロ・スーパーがタイの企業に売却されたケースがある。ソン学長は、「短期的には、消費財生産の分野が最も大きな影響を受けるだろう。現在、多くのタイ企業がベトナムへ進出し、市場を席巻する機会をうかがっている。彼らは、輸入製品、特にタイ製品を好むような中流層以外にも触手を伸ばしているのである。しかし、それでも、ベトナムのAECへの参加は必ずや成功するであろう。」と述べている。
 恐らく、AECへの参加は、ベトナムの企業、特にベトナムの全企業の90%にも達する中小企業への影響が最も大きいであろう。ハノイ若手企業協会のレー・ヴィン・ソン会長によると、大企業のわずか20%のみがASEAN経済共同体参加への準備を進めていて、一方、中小企業の80%はのんびり構え、この先に何が待ち受けているのかもよく分かっていないという。同協会の幹部は、その原因について、多くの企業がAECへの参加がすぐそこにまで差し迫っているということをまだよく認識していないからだという。中には、WTO加盟の影響もまだそれほどないから今回も大丈夫だと言って勝手にのんびり構えている企業もあるくらいである。よって、これから起こり得るであう損失を正確に把握することができないのだという。
 「激しい競争が企業の認識を変える機会にもなるだろう。もしうまく準備できれば、AEC参加による可能性はより大きくなるであろう」とソン学長は強調した。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:旭泰広、添田樹紀 )
( 記事ID:1274 )