ジョコ大統領の発表と「土壇場」の伝達
2015年02月21日付 Kompas 紙
2月18日、ジャカルタ・大統領官邸にて、プラティクノ国家官房長官とユスフ・カラ副大統領を伴って汚職撲滅委員会と共和国警察の軋轢に対する姿勢を述べるジョコ・ウィドド大統領。
2月18日、ジャカルタ・大統領官邸にて、プラティクノ国家官房長官とユスフ・カラ副大統領を伴って汚職撲滅委員会と共和国警察の軋轢に対する姿勢を述べるジョコ・ウィドド大統領。

ジャカルタ、kompas.com

 およそ1か月の沈黙を経て、2月18日午後にようやくジョコ大統領はブディ・グナワン警察中将の共和国警察長官任命の取りやめを発表した。ジョコ大統領は容疑者認定を受けた汚職撲滅委員会(KPK)の指導者2名、すなわちアブラハム・サマド委員長とバンバン・ウィジョヤント副委員長を暫定的に停職処分にすることも決定した。

 汚職撲滅委員会と共和国警察についての見解の相違が生じた後に下されたその決定は、南ジャカルタ国家裁判所がブディ警察中将の容疑者認定を法的に無効とする決定をした2日後に公表された。その48時間の内にジョコ大統領とカラ副大統領は、汚職撲滅委員会の暫定指導者に任命される人物を3名選出した。その3名とは元汚職撲滅委員会委員長のタウフィクラフマン・ルキ氏、汚職撲滅委員会汚職防止部長であるジョハン・ブディ・サプト・プラボウォ氏、そしてインドネシア大学の刑法専門家であるインドリヤント・セノ・アジ氏である。

 副大統領筋からコンパス紙が集めた情報によると、先述の3人の指導者は17日の夜に決定した。官邸は18日の朝、指名され先述の役職に就任する3名の人物との連絡作業に追われた。

 カラ副大統領の報道官であるフサイン・アブドゥッラー氏は、大統領によるこの決定はブディ・グナワン中将が申し立てた予審の判決に対してかなり迅速な対応であると語った。
 予審の裁判官を務めたサルピン・リザルディ氏は16日、ブディ中将の容疑者認定は無効であるとの判決を下した。

「予審の判決決定プロセスに比べれば、これは非常に早い。実際のところ、当初から大統領と副大統領は予審のプロセスを待つことを決めていた」とフサイン報道官は語った。

 決定がなされた後、官邸側は速やかに3名の人物と連絡をとった。フサイン報道官は、ジョハン・ブディ汚職防止部長と接触するよう依頼を受けたことを認めた。しかし、報道官が連絡してもジョハン氏は電話をとることがなかった。最後に大統領補佐官がジョハン氏との接触に成功した。

「大統領による記者会見の1時間45分前、土壇場でついに連絡がとれた」とフサイン報道官は語った。

 さらにカラ副大統領は大統領の指令によりジョハン汚職防止部長に直接話した。副大統領は他の2名にも大統領の指令で連絡をとった。

 ジョコ大統領は汚職撲滅委員会の指導者を一時的に停職処分にするだけでなく、ブディ・グナワン警察中将を共和国警察長官に任命しない決定を下した。代わりにバドロディン・ハイティ警察中将を新たな警察長官の候補として推薦した。フサイン報道官によれば、ジョコ大統領とカラ副大統領は一致してこの決断を下した。「副大統領はいつも大統領と共にある」と同報道官は述べた。

 これに先立ってカラ副大統領は、この決定は両者の安寧のためであると述べた。これにより副大統領は政府が今後の仕事に集中できるようになることを望んでいる。

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( 翻訳者:板井史織 )
( 記事ID:1281 )