人民裁判所の権限に関する現行の規定を維持すべき
2015年03月12日付 VietnamPlus 紙
3月12日午前、引き続き国会常務委員会の第36回会合において、ウオン・チュー・リュー国会副議長の司会の下、国会常務委員会は改正行政訴訟法案に関する意見聴取を行った。
グエン・ヴァン・ヒエン国会司法委員長が行った改正行政訴訟法案の監査報告によれば、法案には多くの新たな規定があり、2013年憲法と2014年人民裁判所組織法の規定を具体化する点が多く定められているとされる。概して、法案は関連するその他法規範文書との統一性を確保するものとなっている。
人民裁判所が有する申し立てを解決する権限に関する規定を含む、意見が相違する大きな問題について、法案の審査機関である国会司法委員会の意見の多くは、人民裁判所が有する行政申し立ての解決権限(以下、「裁判権」)に関する現行の行政訴訟法の規定を現状のまま維持すべきとの意見に賛成した。
国会司法委員会は、訴訟活動を阻害する行為を告訴し行政処分を決定する権限を人民裁判所から除外し行政裁判所に移す方向に賛成した。なぜならば、仮に本権限を人民裁判所に委ねれば、裁判所が行政処分の決定を行いつつ、まさにその裁判所の決定に基づき行政事案の裁判が進められるような状況を導くだろう。
県、区、町、省と省同等の地方に属する市の人民裁判所および省・中央直轄市の人民裁判所の権限範囲に関し、国会司法委員会の多数は、県レベル人民委員会および県レベル人民委員長の行政決定と行政行為に対する申し立てについての第一審裁判の権限を省・中央直轄市の人民裁判所に与えるといった、権限を拡大する規定に賛成しないという意見であった。なぜならば、このような規定は、党政治局が決議のなかで示している県レベルの人民裁判所の権限拡大に向けた司法改革のニーズに相応していない。
同時に、この規定は、県、区、町、省と省同等の地方に属する市の人民裁判所の裁判官が、第一審の行政裁判実施にあたり、その役割と本領を高く掲げることについて示していない。
法案に関する意見聴取において、国会常務委員会は法案の内容について基本的に合意し、法案は2013年憲法のなかの多くの規定を具体化する新たな規定を取り入れたものであると述べた。
国会民族評議会のクソール・フォック議長は、審査機関(訳注:国会司法委員会)は、憲法と人民裁判所組織法、人民検察院組織法など関連の各法規範文書と(の整合性を)密接に結び付けて、しっかりと法案の審査を行ったとして高く評価した。
フオック議長は、法案の編纂機関が最優先する人民裁判所の裁判権に属する申し立てについての考え方に同意を示した。
人民裁判所が訴訟活動を阻害する行為に対し処分の決定を下した後、この決定についての告訴状がある場合については行政訴訟手続きに従って裁判所に解決を委ねるとすることには実現可能性が低く、客観性に欠けている。なぜならば、裁判所の訴訟活動を阻害する行為に対する処分の決定は特別な決定であり、裁判所が自らの審理権限に属する事項を解決する過程で発出されるものだからである。
フオック議長は、県、区、町、市の人民裁判所の審理範囲について見解を同じくすると述べた。その理由として、同議長は立法、行政、司法機関を有する国家の枠組は党の全面的な指導の下に置かれており、したがって(多くのレベルに)拘束されることなく、客観性を確保するよう、下級レベルの行政決定に対する裁判は(多くのレベルではなく)ひとつのレベルで実施しなければならないとする。(訳注:既存の裁判では、様々なレベルで裁判が行われることで混乱を引き起こしているケースがある模様。)
この記事の原文はこちら
( 翻訳者:佐久間るみ子 )
( 記事ID:1301 )