JTC贈賄事案:日本のODAに対する返済は国際慣行に準じている
2015年04月03日付 VietnamPlus 紙
グエン・ホン・チュオン交通運輸省副大臣によれば、ハノイ都市鉄道1号線イエンヴィン‐ゴックホイ間プロジェクト(以下、「都市鉄道プロジェクト」)実施の一時停止に伴い日本のドナー(訳注:JICAを指す。)が費用の返済を求めたことは、国際慣行に基づく強制的な規定である。ベトナムも他の各国同様に適用する。
4月3日午後、日本国際協力機構(JICA)が、日本交通技術株式会社(JTC)による都市鉄道プロジェクトのコンサルタント受注にあたっての設計コンサルタント費用を返済するよう求めたことに関して、チュオン副大臣は、「ODAの資金を用いて設計コンサルタントの入札を行った本プロジェクトは、まだ引き渡しされていない。(一方)この過程においても請負業者に支払いを行う必要がある。もしプロジェクトが通常通り実施されるならば、何の問題もなく支払いが行えるだろう。しかし、プロジェクトが停止されているなか、ドナーは交通運輸省に対し、(ドナーが)供与した資金の返済を要求している」と述べた。
交通運輸省が多額の資金を返済しなければならないことについて、交通分野の指導者は、現在、鉄道プロジェクト管理委員会は供与された借款のなかに無償援助があるのか、有償借款があるのか改めて見直しを行っていると述べた。委員会は現在、ドナーおよび設計コンサルタント会社との間で最終的な結果について協議を行っている。
チュオン副大臣は、これまでに日本側はJTCによるベトナムの鉄道部門の役人への贈賄事案を処理した。一方、ベトナム側でも警察機関も現在処理しているがまだ終了しておらず、結果を待たねばならないと述べた。
JTCによる都市鉄道プロジェクト実施に際し鉄道関係者の一部役人への贈賄事案の発生後、JICAベトナムの代表はJTCと鉄道プロジェクト管理委員会とのコンサルタント契約が入札ルールを守っていなかったことを明らかにした。
こうしたことから、「ODAの一般事項」に従って、JICAはベトナム側に上記のコンサルタント契約のため供与された資金の全額返還を要求した。
イエンヴィンとゴックホイを結ぶ都市鉄道1号線プロジェクトの総投資額19兆4,600億ドン(約9億5百万ドル相当)のうち、13兆9,720億ドン(約6億5千万ドル相当)がJICAによる借款であり、残りは必要に応じて集められた資金である。本プロジェクトは当初、技術・設計業務と入札支援のため4兆6,380億円でJICAからの借款供与協定が締結された。ベトナム鉄道総公司は2008年4月からコンサルタント選定のための入札を行った。
その結果、投資会社のJTCがヘッドとなるコンサルタント連合が請け負った。コンサルティングの請負金額は29億78万6,900円(3,205億8,882万3,878ドン)であった。
JTCによるベトナムの鉄道関係者に対する贈賄疑惑が発覚した後、公安省は、事件を立件するとともに、ベトナム鉄道総公司と同総公司に属するプロジェクト管理委員会の元指導者6名を告訴した。
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( 翻訳者:佐久間凱士、高見彩華 )
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