５月９日午後、ロシア連邦で行われた大祖国戦争勝利70周年記念式典出席のために訪問中のチュオン・タン・サン国家主席は、ウラジーミル・プーチン大統領と会談を行った。
　サン国家主席は、プーチン大統領へ戦勝70周年記念式典への招待に謝意を述べ、これは、全世界に平和をもたらした点で現代的意味を持つ歴史的な出来事であり、ベトナム人民を含むアジア・アフリカ・ラテンアメリカ大陸の各民族の独立闘争を鼓舞するとともに、重要な前提になったと強調した。
　友好的かつ相互信頼と相互理解の雰囲気の中、双方は、二国間協力に関連する諸課題について意見交換を行い、新たな時代における越露間の包括的戦略的パートナーシップを一層強化するための多くの方策について意見の一致を見た。
　政治関係について、両国首脳は、ハイレベル訪問団、とりわけベトナムとロシアのハイレベルによる交流の枠組みを通じ、両国間の信頼関係が途絶えることなく強化されたとしてこれを高く評価した。双方は、両国間の包括的協力関係を促進する原動力を作り出すものとして、党、国家、政府、国会、各省庁、部門、地方による訪問団の交流を継続することに合意した。
　経済関係について、両国首脳はこの間、ダイナミックで効果的な二国間協力が築かれてきたとみなした。両国がこの５月末に署名を予定しているベトナムと欧州・アジア経済連盟間の自由貿易地域に関する協定は、2020年に二国間の貿易額を100億米ドルへ引き上げるとの目標の実現に向けたブレークスルーとなるだろう。
　両国は、ベトナムの大陸棚およびロシアの領土において活動中の両国の石油・ガス企業と関連企業による各種活動を高く評価し、現在の石油・ガス探査と開拓プロジェクトおよび原油の混合と精製の分野における新規プロジェクトのため、あらゆる環境を整えていくことを確認した。
　両国は、引き続き投資、金融・銀行の各分野において全面的に協力するとともに、工業・農業、鉱山開発などの協力を行っていくことを確認した。
　国防・安全保障関係について、両国首脳は、この分野における協力を深化させ、効果的をもたらし、まず何よりも軍人や技術専門家の訓練育成のような、伝統的な協力分野の積極的な実施に向け協力を強化する必要があるとの見解で一致した。
　双方は、この間に行われた両国の各地方間の協力を高く評価したうえで、相互の優位性ある分野における関係強化を重視することを提案した。このなかで、双方は、プリモリ（沿海）地域における水産品と木材加工の合弁企業の設立およびモスクワにおける軽工業区の設立可能性を検討した。
　サン国家主席は、プーチン大統領とロシア政府の高官が在ロシアのベトナム人コミュニティが同国で仕事をし、学び、合法的に生活して、ロシア社会に溶け込めるよう、環境を整備してくれたことにも感謝を伝えた。
　５月９日午後、モスクワにおいて、サン国家主席はエジプトのアブドルファッターフ・アッ＝シーシー大統領とも会見を行った。
　会見の場で、サン国家主席は国土の再建、経済の安定と発展に成功したエジプトの功績に祝意を述べ、ベトナムは、エジプトを常にアフリカ大陸における重要なパートナーとみなし、多くの面で友好協力関係が発展することを期待していると強調した。
　シーシー大統領は、ベトナムの国土建設と発展事業における数々の成果に祝意を伝え、両国の優位性があり相互に補完し得る多くの分野において、協力を実施していくことに期待を表明した。
　両国首脳は国際および地域の各種フォーラム、南南協力と非同盟運動の枠組みにおいて一層緊密に協力すること、またハイレベル訪問団の交流を早期に実施することに合意した。
　サン国家主席は、北アフリカの中でエジプトが最初にベトナムを市場経済国として認定したことに謝意を述べ、双方が経済、貿易、投資の分野において協力を促進するよう求めた。
　（今後）双方は、企業訪問団の交流と貿易促進を推し進め、両国の企業協会を設立し、ハノイにおいて第５回合同委員会を早期に実施する予定である。これらを通じ、両国間の協力に関する若干の協定、合意を見直しつつ、調印と批准を進めることとなる。

Tweet

この記事の原文はこちら

　同じジャンルの記事を見る

（ 翻訳者:菊地紗希、窪田真人、島田実可子、西晶子 ）
（ 記事ID:1480 )