ベトナムは人口政策でのアプローチを転換する必要がある
2015年05月27日付 VietnamPlus 紙
ベトナムは人口政策や家族計画において成功を収めてきたと評価されていた国家の一つだった。しかし、近年ベトナムの人口は、人口構成の黄金期、急速な高齢化や出生率の減少などに関連する多くの問題があり、岐路に立たされている。
上記の情報は中央宣伝教育委員会と国連人口基金ベトナムオフィスが5月27日にホーチミン市で開催した「ベトナムにおける人口の状況と持続可能な開発〜世界の経験から考察する〜」ワークショップで重点的に議論された内容だ。
そのワークショップの発表では、国連人口基金ベトナムオフィス代表補佐のレー・バック・ズオン氏が、ベトナムは若年層の人口比率が大きく、高齢者の比率も高いという歴史上特別かつ唯一のフェーズを経験しつつある。それゆえ、ベトナムの関係当局は国民の生活の質を高め、国家が発展するための総体的な力をつけるため、課題を解決しつつこの好機を活用するための方策を持つべきである、と述べた。
レー・バック・ズオン氏によると、ベトナムは継続的に出生率が低下し、女性一人当たり平均で2.1人出産という数値を堅持しているが、平均寿命も伸びており、ベトナムが高齢化社会となるのもそう遠くない。15~24歳の人口が占める割合は40%近くに上り、ベトナムの人口学の歴史上もっとも高くなっているものの、ベトナムの発展に合致した形で国民の健康や教育、職業指導に投資することで、この労働力を最大限に活用する必要がある。レー・バック・ズオン氏は、もしこの問題を解決できなければ、黄金比の人口は徐々に高齢化し、国に大きな負担となる、と強調した。
国連人口基金ベトナム事務所によれば、現在中国や韓国、シンガポール、タイなどの国は出生率と死亡率が減少し、人口成長率が徐々に減少し、年齢構成が変化する傾向にあり、高齢者割合が増加し、従属人口比率が増加、労働人口が減少する、などベトナムと同じ状況にある。
唯一韓国は出生率を上げる政策をとってきたが、遅きに失した。それゆえ2013年の韓国における出生率は女性ひとりに対して子が1.2人に過ぎず事態は深刻で、同時に毎年国家予算も3.5%から4.5%減少し、様々な束縛へとつながっている。
国連人口基金ベトナム事務所の専門家は、ベトナムは、出産の管理からリプロダクティブヘルスケアの需要の充足、結婚と子育てのパターンの異常な変化の防止など、人口政策でのアプローチを転換する必要があると述べる。
社会問題局(中央宣伝教育委員会)のダオ・ヴァン・ズン局長は、持続可能な開発目標を達成するためにベトナムはある程度の人口規模と適切な人口構造を持つ必要があると述べる。それゆえ人口と家族計画に関する宣伝教育は非常に必要で、適切なワークショップやシンポジウムを開催し、人口事業、より持続可能なリプロダクティブ・ヘルスを促進し、国の発展に貢献する必要がある。
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( 翻訳者:旭泰広、添田樹紀 )
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