ベトナム国営電力グループ:北部の消費電力量がはじめて南部を上回る
2015年06月01日付 VietnamPlus 紙
ベトナム国営電力グループ(EVN)副社長のグエン・タイ・アイン氏によれば、これまでで初めて北部の消費電力量が南部を上回った。
推定では、南部の消費電力量が2億3900万キロワット時だったのに対し、北部は2億4500万キロワット時であった(訳注:原文ママ。上記数字の消費電力量の期間についての記載なし)。原因は北部での酷暑のため電力需要がうなぎ上りになったためである。
この情報は、6月1日朝、ハノイで工業・商業省により開催された生産・経営に関する持ち回り会議で、グエン・タイ・アイン氏が発表したものである。
さらに同氏によれば、5月の推定発電量は137億7千万キロワット時に達し、2014年5月と比較すると8.7%増加した。5か月の合計では、641億キロワット時で、2014年の同期と比較すると12.7%増加した。
「消費電力量は急増しているが、EVNは5月及び年初5か月の生産・経営、生活のための電力需要に十分対応できた」とタイ・アイン氏は述べた。
一方、5月の南北縦断の送電線による送電量もまた非常に多かった。原因は幾つかの発電所の稼働が信頼できないため、この送電線で送電を増やさなければならなかったからである。
具体的に言えば、5月の最大発電量は一日あたり5400万キロワット時(訳注:原文ママ。5億4千万キロワット時の間違いか?)に達し、出力は一日あたり3400メガワットにのぼった。しかしながら電力需要に対応するため、特に何日かの暑い日に対応するため、EVNは民生用電力を確保すべく、計画に従って電力システムのメンテナンスや補修の全てを停止するように求めた。
5月の最高電力出力は2万5193メガワットで、現在、可能な最大出力は2万7千メガワットである。しかしながらEVNの指導部は、年末の数か月には生産・経営や生活に十分な電力を扱えるよう任務を確実に達成する、としている。
南部の電力確保のため、EVNは工業・商業省にイアリ水力発電所(出力360メガワット)への投資を拡大するよう提案した。アイン氏によれば、電力システムの分析をした結果、南部はピークの出力が不足しているので、幾つかの発電所の出力を上げることが必要で、とくにイアリ水力発電所の拡充は南部への電力供給での送電を減らすのに貢献する。そのためEVN指導部は、この事業を電力全体プランに入れて年内に早期に取り組むよう、政府と工業・商業省に報告した。
EVN指導部はまた、6月20日、ライチャウ水力発電所(出力1200メガワット)に水を蓄える管が敷設され、1年前倒し(2016年に発電の予定)になると見られるとした。
電力損失について情報を付け加えると、技術改善のおかげで今年はじめの5か月間の電力損失率は 7.95%にとどまり、昨年と比べると 0.89%減ったと、タイ・アイン氏は述べている。
その他、EVN指導部はビンタン第2火力発電所で放出される灰塵についての検査を完了したと述べた。同時にEVNは環境保護のため、すべての他の火力発電所事業の点検を行なった。
敷地の確保を早急にすすめ、電力供給の進展を保障するため、EVNは工業・商業省がハノイ市やホーチミン市、ライチョウ省などの地方と協議をするよう提案した。
「BOTのような、EVN以外のいくつかのプロジェクトは、大変進展が遅れているので、請負業者を代えるなど、進展を保証するため、工業・商業省は投資家に対する措置をする必要がある」とタイ・アイン氏は意見した。
持ち回り会議で、チャン・トゥアン・アイン工業・商業省次官は、EVNが電力損失率を改善できたことを評価した上で、同時に電力調整局に対し、EVNと協調して暑い日が増えている中で生産と民生のための電力供給を確保するよう求めた。
発電と送電は、乾季のピーク時の電力網の安全を確保するとともに、農業生産のための灌漑用水をバランスよく確保する必要がある、と次官は注意を喚起した。
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( 翻訳者:佐久間凱士、菅原寛之、山田英輝 )
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