多くの自由移住労働者は社会保障政策を知らない
2015年06月29日付 VietnamPlus 紙

 ベトナムでは移住労働者が国民の7.7%を占めている。これは3組の家族の中に二人の移住労働者がいることになり、彼らの送金は家族の総収入の20%を占めている。彼らは、不安定性や低収入のため、医療に関する社会保障政策や社会保険にアクセスできていない。多くの労働者は労働法の規定や、医療保険、社会保険について知ってすらいない。
 これは6月29日、ハノイでの光コミュニティ健康開発院LIGHTが開催した、インフォーマルセクターの移住労働と社会保障に関する情報を共有するシンポジウムにおいて明らかになった。
 LIGHTがチュオンズオン地区、フックタン地区(ハノイ、ホアンキエム区)で2014年11月から2015年5月まで実施した調査によれば、91%の自由移住労働者が2012年労働法の規定を知らない。また91.45%が社会保険法について知らず、93.3%が医療保険法について知らなかったという。
 調査は行商や屑鉄売りをする移住労働者が多く住み、社会保障政策に大きな需要があるとみられる地区で実施された。69%の労働者にとって、一時滞在登録とその相談が最も必要とされている事項である。それに続くのが診察、治療、健康管理、周産期医療であり55.2%を占めた。医療保険の購入・相談が48.1%、政策・法律相談サービスが40.5%、最も低かったのは自主的な社会保険の購入・相談についてである(25.5%)。
 調査されたすべての需要の中で、社会保険法に関する政策は最も労働者がアクセスできていない情報である。わずか8.6%だけが社会保険について知っており、2.9%の人だけが社会保険の購入相談を受けていた。医療保険法についても16.4%しか知られておらず、11.9%の労働者が購入相談を受けていた。
 LIGHT副院長のグエン・トゥ・ザン博士によれば、実際、調査された移住労働者で医療保険証を所持していた割合はとても低い。わずか13.1%しか貧困者向けの医療保険証を所持しておらず、政策対象家庭の医療保険証を所持していたのは1.9%、また17%の労働者が自主的な医療保険証を所持していた。このように労働者は事故やリスクに遭遇した際、財政面、健康面、労働可能性が危機にさらされる可能性がある。
 今後グエン・トゥ・ザン博士は労働者が社会保険・健康保険に加入できるように補助する、現在検討されているないしすでに完成した政策に対して、自由移住労働者が支援政策から除外されることのないよう、彼らの条件に合うようにする必要があると述べた。
 アジア各国ではインフォーマルセクターの労働者は全体の40%で、インフォーマルセクターからの歳入は国家歳入の30~60%を占めている。
 ベトナムではインフォーマルセクターでの労働者は3700万人に上る(全体の71%)。これには農業、季節労働、小規模労働、家政婦、行商なども含まれている。

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( 翻訳者:山田英輝 )
( 記事ID:1674 )