トリカラ県暴動の黒幕はテロリストに値する
2015年07月22日付 Kompas 紙
トリカラ県カルバガにおいて、ある集団がiイスラム教礼拝所に放火した事件に移管を表明するパプア州の宗教指導者ら。
トリカラ県カルバガにおいて、ある集団がiイスラム教礼拝所に放火した事件に移管を表明するパプア州の宗教指導者ら。

ジャカルタ、Kompas.com配信
 東部インドネシア指導者連盟(PPIT)は、パプア州トリカラ県で起きた種族、宗教、人種、階層間問題(SARA)に関連した今回の事件に遺憾の意を表し、その暴動の犯人と黒幕はテロリストとして分類されるのが相応だとした。

 7月19日、東部インドネシア指導者連盟のラオデ・イダ総裁は記者会見の場で「われわれは警察が、事件の背後にいる犯人と共にその犯行組織を見つけ出し、彼らをテロリストグループとして分類することを期待している」と述べた。

 ラオデ氏は続けて「もし犯人らが捕まえられた場合、彼らに対する法的処遇はテロ容疑者が受けるべき法的制裁でなくてはならい。そのひとつの手段として、犯人の取り調べを7日間で徹底的に行う必要がある」と述べた。さらに、ラオデ氏はその事件の扇動者はまさにパプアの外部出身者であると確信している。

「宗教集団への暴力行為はパプア人の気質にそぐわない。パプア人はそのようなことはしない。彼らは寛容で他の信教の自由を尊重している。われわれは、パプア外部から来た後、挑発的は宣伝活動を行った集団がいると強く疑っている」とラオデ氏は続けた。

 前述の挑発はラオデ氏によると、パプアを不安定で動乱の絶えない地域のままにしておくことを目論む者の犯行であるという。もしその通りであれば、ジョコ大統領―ユスフ・カラ副大統領政権は道徳的にも政治的にも国内外で責任を負うことになるだろう。

 事件の犯人と黒幕を同時に罰すること以外にも、ラオデ氏は政府に対し、パプア州における多宗教信徒間の対話を保つため、多宗教信徒間のフォーラムを設置することを求めた。

「そのほかに、われわれは政府に、攻撃があった地域の住民同士の和解を取り持って欲しい。この和解の目的はこのような問題をなくし、再び繰り返されることのないようにすることだ」とラオデ氏は述べた。

 報道されているように、インドネシアの福音教会(GIDI)の信徒出身だと疑われる一団は、7月17日の朝、イスラム教徒らが断食明けの礼拝をおこなっていた最中に、パプア州トリカラ県にあるムスタキン・バイトゥル礼拝所へ赴いた。

前述の断食明けの礼拝で使用されたスピーカーが、同時に開催されていたインドネシア福音教会(GIDI)の行事の妨げとなったとの理由から、この一団は抗議を行った。インドネシア福音教会及び団体同盟(PGLII)の会長であるロニ・マンダン氏によれば、GIDI信徒のイスラム教徒側への苦情の申し立てはいたって丁重に行われていたという。

 ところが、GIDI信徒に向けた警官の発砲が状況を混乱に導いた。一連の射撃によって一人が犠牲になったことが知れ渡るや否や、状況は一層混乱した。その結果、住民たちは次に現場付近の売店に放火した。だが、この火は断食明けの礼拝が行われた礼拝所へと燃え移ってしまったのである。

 インドネシア国家警察広報局長のスハルソノ長官はGIDI信徒への発砲は、彼らが礼拝所付近から離れるようにと呼びかけた警官の指示に耳を貸さなかったからだと明らかにした。警察は挑発的な発言を行った大衆を追い払うことを試みだが、怒りに満ちた住民は警察の要請に従わなかったのである。

(東部インドネシア時間)7時5分、大衆は礼拝所に向かって石を投げつけ始めた。7時10分には売店と礼拝所を破壊し、放火した。威嚇射撃の効果がなかったため、警察はついに地面に向けて発砲した。この混乱の中、一人の若者が銃撃を受けて亡くなったことが分かっている。11名が負傷し、そのうちのほとんどが銃撃によって傷を負った。

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( 翻訳者:八島香織 )
( 記事ID:1689 )