国民議会正副議長によるドナルド・トランプ氏の選挙キャンペーンへの参加は「オフサイド」
2015年09月05日付 Kompas 紙
セトヤ・ノファント国民議会議長とドナルド・トランプ氏
ジャカルタ、Kompas.com配信
ナフダトゥル・ウラマ理事会の事務総長であるフェルミ・ファイサル氏は、アメリカ合衆国大統領候補である共和党のドナルド・トランプ氏の選挙キャンペーンに出席した国民議会の正副議長であるスティヤ・ノファント氏とファドリ・ゾン氏の行為に遺憾の意を示した。ヘルミ氏は、両氏はすでに政治活動における倫理を逸脱しているという。
「選挙キャンペーンに参加することはオフサイドである」とヘルミ氏は9日、ジャカルタのイスティクラル・モスクで述べた。
ノファント氏とファドリ氏によるドナルド・トランプの選挙キャンペーンへの出席が、アメリカにおける政治の雰囲気を乱してしまうことを憂慮している、とヘルミ氏は述べた。なによりも、ヘルミ氏はトランプ氏が大いに世間を騒がしている共和党の大統領候補であると憂慮する。
それゆえに、元・民族覚醒党*1 中央執行委員会事務局長であるヘルミ氏は、ノファント氏とファドリ氏がすぐにでも国民に謝罪するよう求めている。なぜならば、その国民議会正副議長のドナルド・トランプ氏の選挙キャンペーンへの出席は、故意であるなしに関わらずインドネシア国民議会とインドネシア国民の名においてなされたことになるからである。
「共和党の対応もまた褒められるものではない。他国の政治領域に立ち入ることは適切ではない、と私は考える。彼らは政治倫理的に非常に好ましくなく、謝罪する必要がある」とヘルミ氏は述べた。
インドネシア共和国外務省のアルマナタ・ナシル広報官は、国民議会指導者が行った訪米は議会日程と関係する3つの活動に出席するためであると述べた。その3つの活動とはニューヨークで開かれる列国議会同盟の第4回全世界議長会議、アメリカ合衆国下院議長との会談、また在米インドネシア人らとの面会である。
「その訪問は政府ではなく議会によって行われたものであることは明らかである」とアルマナタ氏は語った。
国際法を専門とするインドネシア大学のヒクマハント・ユワナ教授もまた、ドナルド・トランプ氏を訪問した国民議会指導者の行為、とりわけはその会談において、インドネシア国民はトランプ氏のキャラクターを好んでいると主張したことに疑問を呈している。
その会談の中で、トランプ 氏はノファント氏に「インドネシア国民は私のことを好きか」と尋ねた。そしてノファント氏は「はい」と答えた。
「国民議会議長として紹介されたノファント氏の出席と回答は、まるでトランプ氏の選挙キャンペーンを支持しているかのようである。世界最大数のムスリムと民主主義を有する大国の国民議会議長はドナルド・トランプ氏によって知らぬ間に利用されていたのだ」とヒクマハント氏は語った。
一方、予算透明性明性フォーラム(FITRA)では、ファドリ氏とセトヤ氏がドナルド・トランプ氏の選挙キャンペーンに参加したことを問題とした。ましてや、両氏は国家資金でアメリカを訪問していたのである。
この件に対して、ファドリ・ゾン国民議会副議長は、自身とスティヤ・ノファント氏がトランプ氏に政治的支援をしたということに反論した。
ファドリ氏によると、トランプ氏の選挙キャンペーンへの参加は意図的に行われたものではなかったという。
*注釈1 民族覚醒党はナフダトウゥル・ウラマを支持団体とする。
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( 翻訳者:石本佳奈 )
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