香港紙:ベトナムはTPP協定で失うものより得るものが多い
2015年10月18日付 VietnamPlus 紙

 香港「明報」紙は10月17日、10月初めに大筋で合意した12か国参加の環太平洋経済連携協定(TPP)は発効後、発展途上国であるベトナムに多くの利益と大きな優勢をもたらすであろうと報じた。
 記事「ベトナム、TPPから損失よりも利益を得る」では、ベトナムの現在の最大貿易相手国は中国であるという背景のもと、TPPはベトナム経済の中国への依存度を軽減する助力となるとしている。
 試算によると、TPPの影響で今後10年間ベトナムのGDP(国内総生産)は360億ドル増加する。同様に、多数の輸出品生産・加工業が日増しにベトナムにシフトすることから、今後10年でベトナムの輸出額は28%増加すると予測される。
 記事はベトナムの縫製分野はTPP加盟国による輸入税が減額されることにより、利益を上げることを強調している。政治リスクコンサルティング・リサーチファームのユーラシアグループは、今後10年間でベトナムの縫製分野と靴分野の輸出は50%増と見込んでいる。しかし、TPPの厳しい「累積原産地規則」は、ベトナム縫製分野の利益を制限することにもなるであろう。
 縫製分野以外では、ベトナムの水産分野もTPP加盟国による関税撤廃により利益を上げると思われる。しかし農業分野は元来ベトナムに優位性があるのであり、医薬品生産分野は外国からの製品との激しい競争にさらされることになるだろう。本記事では、TPPの知的財産権保護強化は、ベトナムの農業と医薬品生産分野の企業が新薬・新技術にアプローチする機会を制限するであろう点にも留意している。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:佐久間凱士 )
( 記事ID:1945 )