アメリカ、民生用原子力の分野でベトナムへの支援を望む
2015年10月13日付 VietnamPlus 紙

 民生用原子力分野での協力および大量破壊兵器対策担当のトーマス・カントリーマン米国務次官補は10月13日ハノイでベトナムのマスコミと会見し、民生用原子力や環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の実施に向けたビジネス管理などの分野におけるベトナムとアメリカの協力について意見を交わした。
 国務次官補は、両国の指導者が2013年に包括的パートナーシップ関係の構築を宣言してからこれまで、越米関係にはいくつかの進展が見られたと述べた。両国間には、特筆すべき10月5日に交渉が妥結したTPP協定をはじめ、100以上の協力分野がある。
 国務次官補は、ベトナムとアメリカは2014年に民生用原子力分野における協力協定に調印しており、今回の訪問では、ASEAN初の原子力エネルギー生産国になりたいとのベトナムの要望について協議したと述べた。
 国務次官補は、ベトナムは原子力関連施設を稼働させるための原子力分野のエンジニアや専門家を養成したり、原子力分野に関わる法律や規定を定めるための機関を設立したりするなど、適切な方向に向かって進んできたと評価した。
 国務次官補は、「アメリカでは、私の部署やエネルギー省が、ベトナムが電力生産のための原子力利用の際の様々な問題に対応、対処、準備できるよう、多くのことをしてきた」と述べた。
 また、「我々は、民生用原子力の分野においてベトナムを支援したいと考えている。ベトナムがやらなければならないことは、最新の最先端技術を駆使できる原子力の専門家を養成することだ。アメリカ、国際原子力機関(IAEA)そして他のパートナーは、ベトナムがアメリカから技術を購入する、しないに関わらず、ベトナムに対し関連するコンサルティングや支援を継続していく」と強調した。
 TPPとエネルギー分野の関連性についての記者からの質問に対し、国務次官補は、「それは間接的な関係であり、もしTPPがベトナム経済を刺激し、さらなる成長をもたらせば、エネルギー需要が高まる。そうなれば、気候変動対策に関する公約を守れるかという問題にもつながる。そこで、原子力エネルギーであり、原子力エネルギーは二酸化炭素を排出しないエネルギー源でもある」と答えた。
 また、国務次官補は、今回のベトナム訪問に際し、政治協力、航海の安全、輸出入品の管理に関する法規の整備や能力の向上などに関しても、ベトナムの関係当局と協議した。
 国務次官補は、「アメリカは、ベトナムの輸出入管理の向上に向け、ベトナムの近隣諸国やEU、アメリカが行っているような基準を満たせるよう、いつでも相談に応じる」と理解を示した。

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( 翻訳者:辛川翔太 )
( 記事ID:2010 )