副首相、プロテスタントに関する1号指示の厳格な実行を求める
2015年11月05日付 VietnamPlus 紙

 対プロテスタント工作に関する政府首相指示1号(2005年)を実行する以前のプロテスタントは、国内の時事問題をにぎわす焦眉な宗教問題となっていた。
 プロテスタントの強力な復興は、伝統的な信仰・宗教とかなり激しい文化摩擦を生じさせていた。こういった状況を利用して、国内外の敵対的勢力は、プロテスタントの信徒・聖職者の一部をモノによって買収・誘惑し、プロテスタントを中部高原における「デガ国家」や北部山岳地帯の「自治モン王国」を樹立する陰謀のための隠れ蓑としていた。
 しかしながら、指示1号を実施して10年経ち、プロテスタントの状況と対プロテスタント工作は顕著な変貌をとげた。これは、11月5日に開催された「1号指示の10年を総括する全国大会」での政府宗教委員会の評価である。グエン・シン・フック副首相がこの会議を主宰した。
 グエン・ターイ・ビン内相によれば、1号指示はプロテスタントに対する国家管理の効果を高めたばかりでなく、プロテスタントを利用する敵への闘争工作や対外工作において重要な貢献をし、国際社会にベトナムの宗教自由政策をより明確に理解してもらうのに役立った。
 政府宗教委員会の報告と各省庁・部門・地方の発表によれば、1号指示は政治体制内全体におけるプロテスタントに関する認識と対プロテスタント工作を大きく変えた。とくに北部山岳地帯の各省においてそうである。現在までに、プロテスタントが存在する、全国63省・中央直轄都市のうちの54省は、40近くのさまざまなプロテスタントの組織の600以上の支部と2700か所以上の集会所に対し宗教活動を公認し、登録証を発給している。
 プロテスタントの聖職者・信徒の多数は、党・国家が人民の物質的・精神的生活の向上に配慮していると感じている。プロテスタントの聖職者・信徒と各級政権との関係は、疎遠な関係から身近で信頼し責任と協力を分かち合う関係に変わっている。
 1号指示により、プロテスタントの状況は急激な発展からより安定し、揉め事や裁判沙汰が減る状況に変化した。プロテスタントの各組織は、国家によって安定した宗教活動が公認されてから、より法律を遵守し、外部への従属性が低まった。聖職者・信徒は各級政権と打ち解け、信頼し、協力するようになった。
 1号指示はプロテスタントの信徒大衆の正当な宗教活動の需要に応え、それによりプロテスタント信徒同胞(とくに中部高原と北部山岳地帯の少数民族同胞)を安心させ、生産を安定させ、社会活動や人道的慈善活動に積極的に参加させ、法律を遵守して生活させ、プロテスタントを利用する活動への闘争工作において地方政権と進んで協力させている。文化的摩擦、自由移住、裁判沙汰、信徒と非信徒との間の軋轢のような布教当初の否定的影響は次第に減少してきた。
 プロテスタントは、時代遅れの慣習や迷信異端・社会悪を廃絶し、過度の飲酒の抑制や一夫一婦制の婚姻など文明的生活に信徒を導くことにも貢献してきた。プロテスタントの幾つかの組織は、中部高原の銅鑼・鉦文化のような民族文化に参入し、その維持に貢献しようと考え始めている。
 大会の各代表は、1号指示の10年間を経て、政治体制の基層ではプロテスタントの信徒である党員・団員・会員が年ごとに徐々に強化され、その数が増えている、としている。1号指示は、大衆運動工作とプロテスタントの利用に対する闘争にとっての法的・実践的基盤をつくっている。
 宗教工作で達成できた成果は、懸念から共有・同調そして積極的評価まで、ベトナムの宗教とプロテスタントの状況に関心をもっている国外の多くの組織・個人の見方を変え、それを通じて、ベトナムをWTOの150番目のメンバーと国連安保理の非常任理事国とし、アメリカがわが国をCPC(宗教の自由について特に懸念すべき国)のリストからはずし、恒久的な通常貿易関係の付与に調印する条件をつくりだした。
 しかしながら、政治体制内のプロテスタントに対する見方の多くの意見とその工作は、まだ現実に追いついていない。地方の一部の指導幹部は、プロテスタントに偏見をもち、強硬な態度を保持している。この点もまた、グエン・スアン・フック副首相が会議で指摘した点である。
 

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( 翻訳者:今井昭夫 )
( 記事ID:2063 )