教科「歴史」を抱き合わせにする:圧力を減らし、知識を減らさない
2015年11月11日付 VietnamPlus 紙

 教育・訓練省によって広く意見が聴取されている全般的高校教育カリキュラム草案が、大きな議論を呼んでいる。特に、多くの歴史の専門家は、教科「歴史」が他の教科と抱き合わせになることに反発し、現在の若い世代は歴史に無関心であることから、もし歴史教育が軽視されたならば、生徒は民族の歴史を何も知らない状態になってしまうだろう、としている。
 教育・訓練省中等教育局副局長のドー・グオック・トン氏によれば、「歴史」は選択科目だが、必修科目と比べて学習時間は決して少なくない。現在、「歴史」には週に1.5コマが配当されている。新カリキュラムによれば、生徒は「公民と祖国」という教科内(3分野・3コマで、おそらくそのうちの1コマ)と、「社会科学」という教科内(2分野・3コマで、そのうち約1.5コマ)で歴史を学ぶことになる。このように、新しいカリキュラムでは、生徒は週に約2.5コマ歴史を学ぶことになるだろう。
 もし生徒が科学社会系ならば、歴史は週4コマになるだろう(「公民と祖国」で約1コマ、「歴史」で3コマ)。このような変化により、「歴史」は教える時間を減らさず、ただ教える方式を変更しただけとなる。
 現在、「歴史」は選択科目なので、生徒は選択したり、しなかったりすることができ、それでこの教科は見捨てられていると考える、全般的高校教育カリキュラムの内容に対する誤解がある。しかし、カリキュラムの教育内容の配置は、カリキュラム全体と教育条件の全般を勘案し、教育の抜本的・全面的な刷新の要求に応えるのに貢献しなければならない。「歴史」のみならず他の多くの教科も抱き合わせの方向でつくられる。
 「公民と祖国」は必修科目で、「歴史」という名前はついていないが、すべての生徒はこの教科の内容に入っている歴史を学習しなければならない。同時にすべての生徒は、「社会科学」(自然科学系と工芸・技術系の生徒向け)か「歴史」(歴史の知識と歴史科学に関してより高度の要求があるか、歴史科学に直結しているか、もしくは関連している仕事をする予定の職業系の生徒向け)のなかで歴史を学習しなければならない。
 そのほか、「各王朝を通じての我が国の首都の歴史」、「ベトナムの島嶼の主権」などのように、3分野を深く関連づけた主要な幾つかの専門的主題もある。
 このように、歴史知識の学習量は現行の高校カリキュラムと比べて多くなるが、知識は混乱せずに、より効果的になり、より現実に合致したものになる。  
 教育・訓練省のグエン・ヴィン・ヒエン次官は、同省の方針が教育組織や歴史的事件・現象の叙述・評価・認識などの方法を刷新し、学習者にとって過重な負担を与えて飽き飽きさせるのを避けることを重視しているとした。
 「歴史」が独立して教えられていた時、その内容の一部は教科「国防・安寧」、教科「公民教育」などと重複していた。
 教育・訓練省は100か国以上のカリキュラムの調査を進め、どの国も「歴史」を必要な教科だと見なしていることを認識している。しかし、教育方法は国ごとの条件によっており、教科は異なって設計されている。多くの国では現在、「歴史」は、生徒が総合的な知識の運用をはかれるように、他の教科と抱き合わせにされている。
 以前、古い教育方法では知識の伝達が強調されていたが、現在のこのような刷新は生徒がより高い水準の品質・能力を形成するのを助け、個人の能力を強調している。これは教育の抜本的・全面的な刷新の重要な要求である。

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( 翻訳者:寺澤美佐子 )
( 記事ID:2110 )