メコンデルタの630万人近くが気候変動の影響を受ける
2015年12月03日付 VietnamPlus 紙

 ベトナムは地球温暖化の影響を中所得国の中で二番目に深刻にうけると世界各国の専門家たちは考えている。
 これは地域発展と貧困撲滅という目標を実現しようとするベトナムとメコンデルタ地域にとって大きな課題である。

<貧困撲滅への課題>
 カントー市地球温暖化対策事務局のキー・クワン・ヴィン事務局長によると、将来の危機に関する研究は、気温が上昇し異常な雨と干ばつ、地盤沈下が発生することを指摘している。これらの危機はメコンデルタに暮らす人々、中でも貧しい人々や女性、子供にもっとも影響を与える。
 地球温暖化の脅威は公衆の生活の多くの面に影響をあたえるだろう。その中でも生計は大きな影響を受ける。生活を保障することができない労働者、特に貧しい労働者の収入は、気候変動に適応し、生活を向上させるという目標の達成を困難にさせるだろう。
 ベトナム国際CAREのグエン・ティ・イェン氏によると、貧しい人々全般、中でも貧しい女性は、少数民族のコミュニティーと、メコン川と紅河の沿海部に最も多く集中している。貧しい人々は被害から回復するための資源が少ないので、気候変動の被害を大きく受ける。
 自然災害の増加と海面の変動、雨の形態の変化により、女性の生計は影響を受ける。女性は積極的に農業に従事し自ら仕事を作り出しているけれども、主要資産に接したりこれを得られることは少ない。
 気候変動は農業システムと生態環境に影響を与える。一般的に女性はくらしを土地と天然資源に多く依存している。そのため資源が枯渇した時、女性はより大きな被害を受けやすい。
 移住した女性は通常、男性ほどお金をかせぐことができない上、出産の役目も担っている。男性の役目を担わなくてはならないこともあるのに、女性は土地や経済的信用のような資産に、男性と平等にアプローチすることができない。
 女性は自然災害の結果により、男性よりも死に瀕しやすい。以前に存在していた各種の性差別主義は、女性と女児は自然災害の間とその後により健康に影響を受けやすいことを意味する。子供と妊娠した女性は、水が引き起こす病気に特にかかりやすい。
 女性、特に貧しい女性は戦略的な各変化についていくことに限界がある。主な困難は、土地や経済的信用、情報の入手や確認にある。
 彼女らの経験や役割、責任がどうであろうとも、女性は安全防災の決定に発言をしにくい。家庭と地域のレベルにおいて、ある程度の進歩はみうけられるが、まだ性別による決定権の明確な差が存在する。

 地球温暖化のシナリオに従うと、メコンデルタの約35%の人々、およそ630万人相当が地球温暖化の影響を直接的に受ける危機にある。
 女性、子供、老人、身体障害者、貧困者は地球温暖化が進展した時に、被害を受けやすい人々である。政策策定者たちは、地球温暖化が進展した時に被害を軽減できるよう、これらの被害を受けやすい人々のために適応した生計モデルを早急に構築し、実質的な行動をとる必要がある。

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( 翻訳者:西田雄一 )
( 記事ID:2153 )