ベトナム通信社の特派員によると、チュオン・タン・サン国家主席は11月17日午後、フィリピン大統領府でベニグノ・アキノ大統領と会談した。
　会談には、ベトナム側から、ファム・ビン・ミン副首相兼外相、 ダオ・ヴィエット・チュン国家主席事務局主任（国務大臣）、チュオン・チエウ・ズオン在フィリピン・ベトナム大使の他、外務省、国防省、公安省、商工省、ベトナム商工会議所の幹部らが出席した。
　フィリピン側からは、アルバート・デル・ロサリオ外相、パキト・オチョア官房長官の他、司法相、農業相、労働雇用相、国防相、貿易産業相、そして、ジェリル・サントス在ベトナム・フィリピン大使ら出席した。
　会談後、サン国家主席とアキノ大統領は、両国外相による戦略的パートナーシップ関係樹立に関する共同宣言の署名に立ち会った。
　会談で、サン国家主席とアキノ大統領は、ベトナムとフィリピンが戦略的パートナーシップ関係を確立したことは非常に意義深く重要で、両国関係に新たな時代を開くとともに、地域の平和、繁栄、安定の維持にも貢献するものだと述べた。
　両国家元首は、ここ数年、両国関係があらゆる分野で引き続き促進され、発展していることに喜びの意を表すとともに、今後の戦略的パートナーシップ関係の含意の推進、展開に向けた方向性について意見を交わした。
　双方は、首脳レベルやあらゆるレベルの交流を引き続き維持、強化し、また、両国人民間の交流、理解の促進を目的とした、来年2016年の外交関係樹立40年記念活動を大々的に開催するとともに、既存の協力枠組みを維持し、情報交換や双方が強みを持つ様々な分野での経験の共有を促進することで合意した。
　フィリピンは、ベトナムは引き続きフィリピンにとっての重要なコメの供給国であると確認するとともに、捜索、救難、救助の分野における両国の強力を高く評価した。
　ベトナムは、最近捕らえられた漁民の釈放に対するフィリピンの善意に感謝するとともに、なお拘束されている、すべてのベトナム人漁民の釈放を検討するよう求めた。
　また、両首脳は、二国間協力の他に、双方が関心を持つ国際問題や地域情勢に関しても意見交換を行った。
　フィリピンは、APEC（「アジア太平洋経済協力」フォーラム）開催国としての経験をベトナムと共有すると約束するとともに、環太平洋パートナーシップ協定（TPP）への参加に関し、ベトナムの助言を受けたいと述べた。
　サン国家主席は、フィリピンでの第23回APEC首脳会議の成功裡の開催を確信していると述べるとともに、ベトナムはフィリピンのTPP参加を支援していくと伝えた。
　双方は、各国および地域の安全保障や利益に関わる重要な問題における、ASEANの団結の強化と中心的役割の維持を推進していくことで合意した。
　両首脳は、南シナ海における平和、安定、治安、安全、航海・航空の自由の確保、そして、1982年の国連海洋法条約を初めとする国際法に基づいた海上での紛争の解決の重要性を確認した。
　また、双方は、11月13日にパリで発生した一般市民を狙ったテロ攻撃を強く非難し、フランスの政府と国民の努力により、犯人らが適正に処罰されることを信じていると表明した。
会談に際し、両国家元首は、2014－2015年のコメの取引合意の補充に関する議定書の交換式に立ち会った。

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（ 翻訳者:本間美帆 ）
（ 記事ID:2183 )