「ドラえもんといっしょにベトナム交通安全」プログラムを開始
2016年04月20日付 VietnamPlus 紙
ベトナムの子どもたちへ交通安全秩序に関する法規を広く宣伝して教育し、交通事故からベトナムの子どもたちを守り、交通法を遵守する見識・意識のある将来の世代を一歩ずつ築いていく。これが「ドラえもんといっしょにベトナム交通安全」プログラムの目的である。
2016年の「ドラえもんといっしょにベトナム交通安全」プログラム実施の開会式は、交通警察局(公安省)と日本の毎日新聞グループの共催で、4月20日朝、ハノイにて開かれた。
猫型ロボットのドラえもんは、この50年間、日本の子どもたちに愛されてきた交通安全のシンボルである。ドラえもんはベトナムの子どもたちを含む、広くアジアの子どもたちにとって身近で、かわいらしく、好かれるキャラクターである。
毎日新聞グループや各日本企業を含むプログラム組織委員会が、交通警察局と共催で「ドラえもんといっしょにベトナム交通安全」プログラムを実施するのは、社会工作においてベトナムに協力・支援する精神を表し、教育工作において日本の良い経験や効果的で成功したやり方を共有し、交通安全に関する法規を広く宣伝し、それを通してベトナムでの交通事故の抑制・削減に貢献することを目指している。
2016年のプログラムで力を入れている点は、「ドラえもんといっしょにベトナム交通安全」のスローガン創作コンクールと、各地の小学校で交通安全教室の展開、交通安全運動の開始である。
交通警察局の交通安全法規宣伝普及室・室長のグエン・クアン・ニャット中佐によれば、「ドラえもんといっしょに交通安全」のスローガン創作コンクールは、6歳から15歳までの子供と、16歳以上の2つの年齢層を対象にしている。
6才から15歳までの年齢層に対して、テーマは「通学路では気をつけよう」であり、16歳以上は「子供の安全のために」である。スローガンの作品の受付期間は5月6日から6月15日である。応募作品はhttp://www.antoangiaothong.com.vn もしくはhttp://www.csgt.vnのウェブサイトを通して送ることができる。または直に郵送でコンクール連絡事務所(住所:ハノイ市ゴクエン通り2番)もしくは交通警察局(住所:ハノイ市レズアン通り112番)へ送ることも可能である。
スローガンは20語以内で、最も優れたスローガンは年間の交通安全スローガンに選ばれ、全国のすべての小学校に貼られる宣伝ポスターとして使用される。
さらにグエン・クアン・ニャット中佐によれば、2016年9月から、交通安全教室がハノイの3校とホーチミンの2校で行われる。公安省交通警察局と各地方の公安交通警察室の幹部が、交通安全、交通法、安全な交通中の技能などについて指導をするために、キャラクターである猫型ロボットのドラえもんと一緒に、それぞれの小学校へ赴く。
使用される資料である「交通安全宣伝手帳」は学校のすべての生徒へ配付され、また生徒たちにはドラエモンの絵と採用されたスローガンが印刷されたバッジが贈られる。
そのほか、交通警察局はハノイの小学校10校とホーチミン市の小学校10校でこれらの手帳とバッジを配布する予定で、各校の教員はこの手帳を用いて、交通安全教室を行なっていく。
この人道的意義にあふれたプログラムの実現に関して、毎日新聞取締役事業統括の常田照雄氏は、日本において1980年代に交通事故による死亡者は毎年平均で1万5000人であったと述べた。一日平均40人余りが交通事故で死亡し、死亡者数は戦争と異ならなかったので、日本人は交通戦争と呼んだという。
この状態を克服するため、30年前に日本は「ドラえもんといっしょに交通安全」プログラムを開始した。今では日本は世界で最も安全な交通システムをもつ国といわれ、人々は交通中に非常に高い意識をもっている。交通事故による死亡者数は一年当たり4000人余りに減少した。
ベトナムでの現状は、30年前の日本と異ならない。ベトナムの交通事故による死亡者数は現在9000人余りで、一日平均で25人が交通事故で死亡している。両国の人口の平均からすると、ベトナムの交通事故による死亡率は日本の3.2倍である。最も傷ましいことは、交通事故による死亡者のうちに、少なからぬ子どもが含まれていることである。
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( 翻訳者:仁比祥太、嘉田浩 )
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