KONTRASは9月30日事件における犠牲者の集団埋葬地を16か所発見
2016年04月27日付 Kompas 紙
KONTRASの事務所で刑法及び刑事訴訟法の法案を批判する、KONTRASのハリス・アズハル代表
KONTRASの事務所で刑法及び刑事訴訟法の法案を批判する、KONTRASのハリス・アズハル代表

ジャカルタ、konpas.com

「暴力による犠牲者と行方不明者のための委員会(KONTRAS)」のハリス・アズハル代表は、KONTRASが発見にかかわった9月30日事件犠牲者の集団埋葬地の調査実施を政府に勧めた。

ハリス代表のこの発言は、ルフット・ビンサル・パンジャイタン政治・法務・治安調整担当相による、9月30日事件で犠牲となった人々の集団埋葬地が存在することの証拠を求めた発言に応じて述べられたものである。

 KONTRASは2007年に、1965年に起こった虐殺の犠牲となった人々の集団埋葬地であることが疑われる複数個所を直接調査したことがあるとハリス代表は述べた。
その調査の結果、KONTRASは中ジャワ州と東ジャワ州に点在している、集団埋葬地と確認できる16か所の存在を発見した。

4月26日、取材に対してハリス代表は「私たちは16か所の集団埋葬地の存在を発見し、すでに検証している。そして、そのデータを昨年に更新したばかりだ」と語った。

検証作業のほか、KONTRASは虐殺事件が発生した周辺地域の住民から情報や証言を集めている。ただ、ハリス氏は証言者の安全確保を理由に、その詳細な場所を明らかにしようとはしなかった。

 ハリス代表は「実際には、KONTRASはもっと多くの埋葬地があるとの情報を得ていた。しかし、当時のわれわれには人手や費用に限界があった」と吐露している。

 加えて、ハリス代表は、ある1つの集団埋葬地における調査での経験について語った。この時、ハリス代表は地元住民から当局が拘束した人びとをどのように処刑していたのか証言を得ることができた。

ハリス代表によると、拘束された人びとは毎晩、わずか数名の武装した兵士が警護するトラックでその場所に連行された。そして、その場所に到着すると4名から5名の逮捕者がトラックから降ろされ、1つの穴を掘るよう命じられた。

その後、1人の兵士が彼らに立つよう命じ、そのまま処刑した。

ハリス代表は続ける。「処刑が終わると、次の人びとがトラックから降ろされて先に殺された人びとの死体を埋めて穴を塞ぐことを命じられる。それが終わると、彼らは自分たちが入るための穴を降ろされ自ら掘るように言われるのだ」

「それの繰り返しだ。逮捕者たちは自分の墓を自分で掘らされるのだ。私たちは、1か所あたり10名から40名が処刑されたと推測している」とハリス代表は語った。

ハリス代表は、政府が前述の集団埋葬地でのことを究明することを望むというのなら、すればよいのだと述べる。

ハリス代表によると、集団埋葬地とみられる場所では虐殺が行われた痕跡や証拠は現在もな
お見つけることができるという。



 集団埋葬地の調査に乗り出したインドネシア政府

 これに先立ち、ジョコ大統領は1965年に起きた9月30日事件における犠牲者の集団埋葬地を捜索するようルフット政治・法務・治安調整相に命じた。

 ルフット相は、そうした集団埋葬地は1965年以降のインドネシア共産党支持者に対する虐殺問題を立証すると同時に、関連する歴史認識が正すものであると述べる。

 ルフット相は4月25日、ジャカルタの大統領官邸でジョコ大統領と会談を行った後、「先ほど、ジョコ大統領から、もし集団埋葬地があるというなら、探させろと言われた」と述べた。

 「これまでの数十年間、事件で数十万人が亡くなったと絶えず吹き込まれてきた。これまでわれわれは集団埋葬地を1か所も発見していないのに」と、ルフット相は続けた。

ルフット相は、9月30日事件で大量虐殺が行われた事実が解明された暁には、いつでも国家として謝罪する用意があると説明する。

 その事実には、例えば集団埋葬地についての資料が含まれる。


 ルフット相は加えて、政府はこれまでに大量虐殺事件が起こったことを示しうる正当な資料や証拠を受け取ってはいないと説明している。

 唯一存在しているのは、6人の陸軍司令官が殺害されたことを示す資料だけである。よって、政府はいったい誰に謝罪をすべきか見当がつかないと、ルフット相は述べる。

「今日まで集団埋葬地についての資料は存在していない。政府は誰に対して謝罪すればよいのだろうか。明らかなのは、6人の陸軍司令官が殺害されたことだ。このことに関してはすでに説明している。他のことについては未だに明らかとなっていない」とルフット相は語った。

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( 翻訳者:岩野誠太郎 )
( 記事ID:2426 )