貿易の自由化ーベトナム企業にとってのビジョン(2)
2016年04月21日付 VietnamPlus 紙
集いにおける講演では、FTAがもたらした経済と企業に対するチャンスと課題に関する内容が取り上げられた。FTAの利益を享受するため、ベトナム企業は、単独ではなく、主体的に行動することが必要であることが示された。企業は政府及び各職業団体からサポートを受けることもできる。
在ベトナムEU代表団の貿易・経済部長であるミリアム・ガリシア・フェラー女史は、FTAは、各企業が発展するため利潤を生み出す安定した法的枠組みと平等かつ透明性あるビジネス環境を有する舞台をもたらすだろうと強調している。
マレーシアPwC社のコンサルタント代表であるパトリック・タイ氏は、ベトナムとマレーシアは、TPPの施行に伴いより多くの利益を享受する国であり、各企業は製造業の発展という課題を乗り越えるため、いちはやくチャンスを掴む必要があると明確に述べた。
ベトナム商工会議所のヴォー・タン・タイン副会頭は、TPP協定により広がる巨大な市場によって、好条件下にある経済環境においては、ベトナム経済の力強い発展を促し、また輸出の伸長が約束されているとの認識を示した。
しかし、現実には、ベトナム企業がいまだ国際統合に加わる準備が整っていないという事実を率直に見つめなおさねばならない。
その上、ベトナムのビジネス環境には依然として、透明性の問題、統一的かつ効果のある法体系の欠如、豊富であるものの外国語の面で脆弱な人材の問題、プロフェッショナルで専門性の高い人材の欠如、製品に対するブランドの構築がEU、米国、日本のような市場の品質基準に対応していないことなど、多くの問題が残されている。
こうした現実を前に、打開策を講じるためには国内の機構改革を行い、この機構改革を、調和がとれ熟練した国際参入の体制に結び付けるといった課題を集中的に解決する必要がある。
適切な法体系がなく、良好なビジネス環境がなければ、FTAの利点を発展させることはできない。
同時に、改革を強化し、企業のうち、特にその大多数が世界平均と比べ2〜3世代遅れた技術を使用している中小企業に対する支援を行っていく。
一方、人件費の安さといった過去の長所に甘んじるのでなく、競争力があり発展する労働市場を構築するため、外国語、専門的能力、専門性の水準を向上させるなど、人材リソースを確保することが求められる。
ベトナムPwC社のディン・ティ・クイン・ヴァン社長は、多くの変化が訪れる過程でベトナムが発展のチャンスを掴みたいのならば、これらの協定はベトナムに国際参入と発展のための新たな機会を広げだろうと明言し、各企業に対し、待ちの姿勢ではなく、今日からすぐに行動しようと提言した。
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( 翻訳者:仁比祥汰、広瀬ないる、松本美里 )
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