ベトナム、南シナ海問題で引き続き日本の支援を望む
2016年04月19日付 VietnamPlus 紙

 チャン・ダイ・クアン国家主席は4月19日午後、国家主席府で、クアン氏の第13期国会でのベトナム社会主義共和国 国家主席 選出の祝賀表敬に訪れた日本の深田博史大使と会見した。
 クアン国家主席は、日本の熊本県で連続して発生した大規模な地震による日本国民の深刻な人的・財産的被害に対し哀悼の意を示し、日本政府の指導の下、そして、日本国民の自力自強の精神により、日本が一日も早くこの試練を乗り越え、被災地を復興させ、人々の生活の安定を取り戻すことができるものと確信していると述べた。
 クアン国家主席は、日本の政府と国民に対し、ODAを含め、ベトナムの国家建設と発展に対する効果的な支援に感謝した。
 また、政治、ビジネス、経済、国防、治安、そして民間交流などあらゆる分野における両国関係の発展推進に対する深田大使の重要な貢献を高く評価した。
 クアン国家主席は、ベトナムは常に日本との「アジアにおける平和と繁栄のための広範な戦略的パートナーシップ関係」を重視しており、日本をベトナムの最も重要なパートナーと考えていると確認した。
 両国が2015年9月に調印した「日越関係に関する共同ビジョン声明」は、両国関係のより広範な発展の推進において、両国が共通の意見に達したことを示したものと言える。
 ベトナムは、5月末に日本で開催されるG7伊勢志摩サミットのアウトリーチ会合に出席するため、グエン・スアン・フック首相を団長とする代表団を日本に派遣することを既に決めており、また、2016年中に日本の閣僚級訪越団を受け入れるべく、積極的に準備を進めている。
 両国はこれまで、双方が関心のある問題について国際会議の場などでもよく調整を行ってきた。よって、ベトナムは、南シナ海問題でも日本が引き続きベトナムを支援する力強い声を上げるよう希望している。
 ベトナムは、気候変動問題の試練に直面しており、特に、中部地方、中部高原地帯、南部各省では旱魃と塩害が深刻な問題となっている。このため、日本政府に対し、気候変動対策でもベトナムを引き続き支援するよう要請している。
 深田大使は、両国関係の発展に対するクアン新国家主席のさらなる貢献を引き続き希望するとともに、熊本県での地震の被災者に対するクアン国家主席のお見舞いの言葉に感謝した。
 深田大使は、両国指導者の相互訪問は両国関係のオープンで良好な発展にとっても極めて重要な意義があると強調し、「安倍首相はベトナムとの関係を常に重視しており、それは、安倍首相が5月末のG7伊勢志摩サミットのアウトリーチ会合にベトナムのグエン・スアン・フック首相を招待したことにも体現されている。これは、両国の指導者が日越関係の重要性と今後の両国関係の方向性を確認する機会でもある」と述べた。
 南シナ海問題に関し、深田大使は、日本とベトナムが世界やASEAN域内での国際会合などで、調整して共通の意見を主張することは重要な意義あることであり、日本は、紛争や相違点を一方的に解決すべきではないとの立場を支持すると述べた。
 深田大使は、気候変動問題は緊急の課題だが、長期的かつ徹底した解決策がより重要だと述べた。
 日本は、調査を行い、それをもとに、ベトナムの気候変動対策に対する支援策を立案するという。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:広瀬ないる )
( 記事ID:2498 )