自然災害への対処:ベトナム、4,850万米ドルの緊急支援を世界に呼びかける
2016年04月26日付 VietnamPlus 紙


 エルニーニョ現象によって日ごとに深刻さを増す干ばつと塩害の事態に対処するため、ベトナム政府、国連及び各ドナーは、国際社会に対し、4,850万米ドルの緊急支援を呼びかけた。
4月26日、ハノイで農業・農村開発省が国連との共催で行った「ベトナムの干ばつと塩害に対する緊急対応行動計画実施のための支援を呼びかける」会議において、この要請が打ち出された。
 同日、ベトナムも、この事態において特に喫緊に対応すべき要請に応じるため、清潔な水、衛生環境、食糧の保障、栄養、健康、国民生活の早期復旧に向けた最も必要不可欠なニーズに対処するための人道支援など、緊急支援計画を発表した。
 コミットされた経費については、政府が環境を整備することを保証しており、対応に向けた努力と緊急援助が進められる。
 3月中に、ベトナム政府、国連及び非政府組織(NGO)が試算した速報によれば、特に重大な損害を被った18の省では約200万人が生活用の清潔な水を使用できず、約110万人が食糧支援を必要としているとされる。日々深刻化する干ばつによって6万人以上の女性と子供が栄養失調の状況に直面しており、約175万人の生活が深刻な被害を被った。
 速報値からは、その他の8省についても、この先、干ばつのため水不足や衛生上適さない水の使用により疫病感染のリスクに直面する恐れがあるなど、深刻な状況に陥っている。さらに、雨が降らないことから食糧の確保が著しく脅かされており、干ばつにより重い栄養失調になる子供の割合が増加するだろう。
 2015年末から、ベトナム政府は干ばつ被害を被った3つの地域に5,200トンを超える食糧を援助し、国家レベルの干ばつに対する支援措置を実施するため1兆810億ドン(約4,500万USD)を割当てた。
 3月15日にベトナム政府は、国際ドナーに対し、干ばつ被害を被った地域における支援措置、供給・貯蔵の確保および水処理への協力とともに、食糧の保障、栄養摂取のための支援と疫病蔓延のリスクに対するチェック体制の強化を呼びかけた。
 会議では、国連のプラチバ・メータ常駐コーディネーターが、ベトナム政府の主体的な行動や緊急援助実施のための努力を評価する一方で、この問題は、国際社会に対し特別な支援を呼びかける特別な出来事であると述べた。国連は引き続き、最も深刻な被害を受けている国民のため最も必要不可欠なニーズに応えることができるよう、ベトナム政府と共に連携して問題解決に取り組んでいく。
 プラチバ・メータ女史は、「現在、依然として多くの人々が深刻な水不足によりニーズを満たすことができていない。私たちはベトナム政府、各国際ドナーと共に緊密に連携して本日(提案した)計画を実行していく。この計画は飲料水、食糧、栄養、衛生など生活再建のための支援を必要とする人々に向けられるだろう」と強調した。
 4月26日午後までに、各ドナーは、ベトナムのための緊急支援項目の一部を公表した。具体的には、国連が400万米ドルを支援、アジア開発銀行(ADB)が300万米ドルを検討、米国がベンチェー省に5万米ドルを支援、赤十字社がカーマウ省に20万ユーロおよびロンアン省に1万5千〜1万8千米ドルを供与、ニュージーランド政府が5万米ドル、またオーストラリア政府およびスイス政府もベトナム支援を検討しており、各支援項目の総額は約734万米ドルに上る。
 その他、世界銀行(WB)、アジア開発銀行、日本政府、フランス開発庁基金(AFD)、ドイツ復興銀行も、ベトナムが直面する状況に対処するための支援項目を調整し、長期プログラムのための資金調達を進めるとともに、気候変動対応のための長期的対策を実施するための支援を強化する構えであると表明した。

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( 翻訳者:阿部静香、橋本実穂、森本真由 )
( 記事ID:2518 )