企業はTPP加盟時のリスクを防ぐ仕組みをもつ必要がある
2016年05月12日付 VietnamPlus 紙

 5月12日、ハノイにおいて、ベトナム投資開発銀行(BIDV)は、「環太平洋パートナーシップ協定(TPP)-ベトナム企業にとってのチャンス・課題・対策」を題した国際シンポジウムを開催した。
 シンポジウムの発表において、BIDVの副社長であるカン・ヴァン・ルック博士は、コミットした2018年までのロードマップに従って、ベトナムは、銀行分野・保険分野・(その他)金融分野の門戸をより開放しなければならないと述べた。ほとんどの国に商業拠点を持っていたTPP加盟地域の多くの商業銀行は、領域外への投資機会を拡大することで企業コミュニティに奉仕するとともに、加盟国間の貿易、投資、旅行業関係を促進する。この趨勢は、TPPが正式に効力をもったとき、高まるだろう。
 「BIDVのような金融機関は、輸出入補助金、金融資産税、国際決済、外貨取引、保険、証券および派生証券・派生商品など、高度な統合性を有するサービス商品を供給することで、企業とともにある構えである」とルック副社長は強調する。
 ルック副社長はまた、各金融機関に対し、行政手続改革、サービスの質の向上、同じ区域でのサービスの質の向上、技術革新の継続、輸出入、投資、リテール・バンキングの活動に資する近代的なサービス商品の創出、統合能力の向上、地域と世界における金融機関体系のネットワーク拡大と連結性の強化、活動モデル、経営戦略、投資・貿易の促進、危機管理に関して企業にコンサルタントを行うためのFTA研究など点を推奨した。
 旧商業省のチュオン・ディン・トゥエン元大臣は、TPP加盟時にチャンスを生かせるよう、各国内企業は、相互に、および1つのバリュー・チェーンにおける国内企業と外国企業の間で連携体制を構築できなければならない。そのほかにも、各企業は、マネジメントや経営活動におけるツールだけでなく、情報技術が新たな発展に向けた方策の基礎と見なし、情報技術の発展に注力しなければならない。
 トゥエン元大臣は、「企業は、ビジネスとは正確な決定を下すために情報や可能性を十分に収集して処理し、これに基づき、挑戦を承認しなければならないことを理解する必要がある。とはいえ、いかによりよく情報を収集し処理したとしても、いかに高い可能性があったとしても、今日の世界の発展は一本線でなく、これによるあらゆる変動や市場の不安定を予測し尽くすことはできない。こうしたことから、リスクを防ぐ仕組みが必要である」とも述べ、企業に対し留意を促した。
 BIDVは、国際経済の統合が進む中、特にベトナム政府が企業を発展のための動力と考える今日にあって、顧客をサポートし共に歩むことを目的にTPPに関する国際シンポジウムを開催した、唯一かつ陣頭に立つ金融機関と見なされる。
 現在BIDVは、約1,700の金融機関と120以上の国・地域と関係を有し、ラオス、カンボジア、ミャンマー(近く支店を開設予定)、チェコ、ロシア、台湾における商業拠点に加え、ラオス、ロシア、アメリカの金融機関との合弁企業がある。
 そのほか、BIDVはラオス、カンボジア、ミャンマーへ投資するベトナム人投資家協会の会長という特別な役割も担っている。

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( 翻訳者:佐久間彩夏、仁比祥太 )
( 記事ID:2558 )