ベトナムのコメ輸出予測、第2四半期は150万トンのみ
2016年05月22日付 VietnamPlus 紙
ベトナム食糧協会(VFA)によると、第2四半期のコメ輸出は、集中コメ輸出契約が少なかったことと、夏秋期の収穫を前に供給に制約があったことにより、減少傾向にある。
第2四半期の輸出予測は150万トンで、前月の計画より10万トン低い。
5月18日現在、ベトナムのコメ輸出は207万2000トンで、FOB価格(本船渡条件価格)は8億7500万ドルを超え、CIF価格(運賃・保険料込み条件価格)は9億1198万ドルとなり、2015年の同時期と比べ、輸出量、輸出額ともに15%増加した。
コメ輸出の増加は、特にインドネシア、フィリピンとの政府間契約と、中国と新たに締結した商業契約をはじめとする2015年からのパッケージ契約がまだ多く残っていたために、第1四半期の輸出が増えたことによる。
しかし第2四半期は、コメ輸出量と新たな輸出契約が多くはない。4月だけ見ると、輸出コメ生産量は45万3000トンにしか達せず、FOB価格で2億1200万ドルとなり、3月に比べ輸出量は20.5%減、FOB価格は7.5%減となった。2015年期末と比べると、4月のコメ輸出量は30%減、FOB価格は21.33%減となった。
4月のコメ輸出は計画された55万トンに達しておらず、集中コメ輸出契約が残っていなかったため、前月と前年同時期よりかなり落ち込んでいる。
また、今年4月中のコメ輸出の登録契約数も平均を下回り、香米ともち米を筆頭に3月と2015年同時期に比べて著しく低下している。
VFAは、フィリピン、インドネシア、中国といったベトナムからの3大輸入市場である輸入国からのコメの輸入需要は、下半期に増えると予測している。
しかし、ベトナムのコメ輸出は夏秋期と秋冬期のコメの収穫量に大きく依存している。もし供給に制約があり、価格が競争できなければ、インドやパキスタンの手にシェアを取られる危険がある。高いリスクや新たな需要が出ると、現在の状況では、コメの価格は急速に上昇する傾向になる。
専門家の指摘によると、これまで世界のコメ市場は脆弱さが続き、実質的で明確な新規需要はまだないにもかかわらず、タイ、パキスタンやベトナムといった主要供給国での価格は上昇しつつある。
主な原因は、タイ、ミャンマー、カンボジアやベトナムに影響を与えたエルニーニョ現象による干ばつのために主な収穫期である先シーズンの生産量が減り、これからのシーズンにも影響が出るためである。
また、フィリピン、インドネシア、中国を含む市場の中心における潜在的な需要が、供給国の希望取引価格に影響を与えている。しかし在庫の減少や、いまだに輸出入国に影響を及ぼしている干ばつの影響により、一般的な価格動向は上がり続ける。
タイ政府は、2か月以内に年間輸出より多い1140万トンの古米を完売すると発表したが、これは単に市場を探るためのパフォーマンスで、需要が確定していない以上実現できるはずはないとVFAは考えている。
このコメのほとんどは古米で、品質の劣る750万トン、工業用の150万トン、傷んだ24万トンを含んでいる。この計画の展開には時間がかかっており、タイの貿易省は5月19日に120万トンのコメの入札を実施するとのみ発表した。
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( 翻訳者:樋口由里子 )
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