ドランポック水力発電所建設はヨックドン国立公園に害を与えると警告
2016年06月15日付 VietnamPlus 紙
チャン・ホン・ハー天然資源環境相は、天然資源環境省‐環境総局文書2169号を出し、ダクラク省ブオンドン県クロンナ社におけるドランポック水力発電所建設投資事業の負の影響に関する報告を政府におこなった。
天然資源環境省が指摘しているように、ドランポック水力発電所の建設予定地にはフタバガキ科の木の森(乾燥フタバガキ林)があり多くを占めている。そして、建設予定地に含まれるヨックドン国立公園には、保護するべき価値があり、希少度の高い多くの種類の動植物が生息し、独特の生物学的な多様性がある。
特に、この地域には野生のゾウの群れが生息しており、ゾウの通り道にもなっている。
そのため、天然資源環境省は、ドランポック水力発電所の建設には、森林を伐採し道路を建設し、多くの機器や資材、人間を集中させなければならず、動植物各種の生息する環境と保護活動に悪い影響を与えると共に、野獣の狩りや林産物の違法な開発の状況を制御できなくなると警告している。
また、ダムを建設してセレポック川を堰き止めることはその水生生態系、特に回遊や渡りの習性がある動物に影響を与えるという。
このほか、プロジェクト予定地はベトナムとカンボジアの国境近くに位置しており、国防、安全保障にマイナス影響を与えるのは避けられない。特に発電用のダム湖の運営に伴う水使用のバランスの破壊は、ダムの下流地域、特にカンボジア側に良くない影響を与えるだろう。
天然資源環境省はまた、セレポック川の水流の根本的な変化は、ダムの下流域に向かって流れる泥砂や細かい土砂の流れを変え、地下水を大きく変化させ、地質の一部と地盤工学の調査に影響を与え、土地の流出や、陥没、地震そしてダムの決壊を起こす可能性がある、との考えも示した。
上記の問題を理由に、天然資源環境省は、プロジェクト開発を継続しないよう求めるダクラク省人民委員会の要請に同意するよう、首相に提案した。
設計図によると、ドランポック水力発電所は、ダクラク省ブオンドン県クロンナ社を流れるセレポック川を堰上げてダムを作り、建設される。この発電所の出力は、26MWの予定で、投資総額は約8,500億ドンである。ホーチミン市の新技術応用・建設投資株式会社(TECCO)が投資主で、現在、環境影響評価の報告書の書類を作成している段階である。
ドランポック水力発電所を建設する場合、プロジェクトの敷地面積は308.7haである。このうち295.4haはヨックドン国立公園の土地(約63haの森林は厳重に保護する区域に属する特定使途森林)で、28.88haの特定使途森林は使用目的を転換しなければならない。
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( 翻訳者:一橋弘人 )
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