環境総局:フォルモサの事故は観光に深刻な影響
2016年09月29日付 VietnamPlus 紙
クアンビン省の海岸で死んでいる魚
クアンビン省の海岸で死んでいる魚

 2011年~2015年度の国家環境報告の発表セレモニーが本日(9月29日)午後に行われた。天然資源・環境省のホアン・ヅオン・トゥン環境総局副局長は、フォルモサ[訳注:フォルモサ・ハティン・スティール]が起こした中部4省の海の環境汚染事故で、省民が魚を食べなくなり、また観光にも深刻な影響を及ぼしていると発表した。
 トゥン氏は、「数年前はハティン省からクアンビン省にかけての海辺は美しく、多くの観光客で賑わっていた。しかし今年、これらの海水浴場に来る客はほとんどいない。私たちもこれらの海水浴場へ赴いたが、非常に人が少なく、寂しい雰囲気だと感じた」と述べた。
 また、トゥン氏によると、フォルモサが4月から起こした中部沿海地域の環境汚染事故は、2011年~2015年度の環境報告が言及する範囲内にはないが、報告で敢えて言及したのは、これが深刻な問題であり、今後の試練だからである、とのことである。
 フォルモサが起こした中部沿海地域4省での海の環境汚染事故のほかについて、2011年~2015年度国家環境現状報告発表セレモニーで、トゥン氏は、「工業発展の活動が、これまでも、そして現在も、環境に大きな負荷をかけている」とした。
 具体的には、報告によると、2015年末までに、稼働中の工業団地は全国に283ある。しかし、283の工業団地のうち、212の工業団地で、ようやく集中排水処理システムが構築されたばかりであり、24の工業団地では、現在構築中である。残りの工業団地では、システム構築に向けてスタートしたばかりだ。
 「工業団地や経済区は、経済発展につながるが、同時に、多くの憂うべき側面もある。我が国には、900近い産業クラスターがあるが、集中排水処理区を有する産業クラスターの数は、たったの3~5%とかなり少ない。これは憂うべきことだ。」とトゥン氏は話した。
 今までの環境汚染増加の原因となった「抜け穴」に言及し、「環境保護対策は、いまだに安定していない。特に、実施経過がまだ効果的でない」と、トゥン氏は率直に述べた。

   【国家環境報告発表:ずさんな管理・汚染増加】
 「我々は政令、通達を出したが実施はまだまだだ。一方、環境保護に関する各レベルの行政府の認識と各企業の自覚も問題である。廃棄物の発生源の[外部・内部]検査、 監査には未だ穴があり、環境に直接廃棄している現状がまだある」とトゥン氏は認めた。
 上記の事実を踏まえ、トゥン氏は、環境の改善に貢献し汚染の各ホットスポットを解決するためには、首相の示したような緊急な課題を実行する必要があるとした。しかし、今後は、環境保護の法整備による解決方法のほか、テクノロジーで管理する方法も実施しなければならない。
 「それは、新しい情勢の中で環境保護の効果的なツールを使用し、廃棄物の発生源をリアルタイムで発見するためのオンライン観測をすることだ。他には、経済発展するが環境を悪化させないという考え方に従った、国際統合志向の、環境に関する国家の基準のシステムを構築し、チェックすることだ」とトゥン氏は強調した。

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( 翻訳者:窪田真人、島田実可子、安井理絵 )
( 記事ID:2854 )