ケリー米国務長官「ベトナムは域内の重要なパートナーである」
2016年10月26日付 VietnamPlus 紙
ジョン・ケリー米国務長官(右)とディン・テー・フイン共産党書記局常務(左)
第12回党大会の独立、自主、多様化、多角化の外交路線を引き続き実施し、越米のハイレベルの合意を実施すべく、ジョン・ケリー国務長官の招請を受け、ディン・テー・フイン共産党書記局常務・政治局員は10月24日から30日まで米国を訪問した。
10月25日、首都ワシントンにおいて、フイン常務はケリー長官と会談を行った。
会談には、ベトナム側から党中央対外委員会、党中央事務局、外務省、商工省、教育・訓練省の指導部からの代表およびファム・クアン・ヴィン駐米ベトナム大使が同席した。
米国側は、テッド・オシウス駐越アメリカ大使、米国政府および国務省のハイレベル幹部が同席した。
フイン常務は、グエン・フー・チョン党書記長およびチャン・ダイ・クアン国家主席からバラク・オバマ大統領への挨拶の言葉を伝えた。
フイン常務は、チョン党書記長の歴史的な訪米(2015年7月)およびオバマ大統領の訪越(2016年5月)において両国のハイレベル指導者がコミットした事項が実施されていることをはじめ、両国間の包括的パートナーシップが積極的に実施されていることに喜びの意を表明した。
フイン常務は、ベトナムの党と国家は、独立、主権、領土保全、政治体制、発展への道のりを尊重し、互いの内政に関与しないことを原則として確立された包括的パートナーシップの枠組みに基づき、米国との友好、協力関係を発展させる方針を一貫して重視しており、過去を振り返らず、違いを乗り越え、将来に向け一致点を発揮して、越米関係を安定的、実質的、長期的、持続的に発展させるため、一歩一歩信頼関係を構築し強化して、両国国民の利益に応え、地域と世界の平和、安定、協力の維持に貢献していく方針であると強調した。
フイン常務は、両国が、党のチャネルを含む各ハイレベルおよび各レベル間の交流、往来を強化するなど、二国間関係の発展のために包括的な協力を推進し、共に関心を有する問題に関する両国間の協議の枠組みを拡大し、既存の協力スキームを強化し効果的に発揮して、二国間関係の基礎および原動力となるような経済・貿易・投資協力を引き続き推進していくよう求めた。
引き続き、両国は、科学、教育、医療、環境、インフラ整備、再生エネルギーの発展、気候変動への対応の分野で協力を促進し、2015年の国防関係に関する共通ビジョンを効果的に実施することをはじめ、国防・安全保障分野の協力を促進し、民間交流を強化し、戦争被害の克服および人道面での協力を優先して行い、地域と多国間の枠組み・フォーラムにおいてより一層有意義な協力を行っていく。
フイン常務は、ベトナムはアジア太平洋連携協定(TPP)の批准および関連するコミットメントの厳格な実施を重視しており、これに向け準備を整えている最中であると強調し、同時に米国側にTPPの早期批准を求めた。
また、フイン常務は、米国がベトナムの市場経済国認定を早期に行い、ベトナムの農産物のため市場を開放し、ベトナム製品に対する二重課税などの貿易障壁を削減するよう求めた。
フイン常務は、ケリー長官と人権についても率直な意見交換を行った。同常務は、ベトナムにとり総体的な観点で見た人権の十分な保障は、常に目標であり最優先事項であることを強調したうえで、ベトナムとしては、引き続き本件について、胸襟を開き建設的な精神を以て米国との対話に臨む用意があると述べた。
地域および国際問題について、フイン常務は、米国が、国際法と国連憲章を尊重し、平和、安定、協力、発展のため、東南アジア各国を含むアジア太平洋地域各国との関係を強化していることに歓迎の意を表明した。
フイン常務は、ASEANの中心としての役割を強化し、また21世紀中に域内アーキテクチャーを形成するASEANによる枠組み構築のため、米国と関係各国と共に連携して取り組む用意があると強調した。
また、フイン常務は、ケリー長官と米国政府が南シナ海情勢に関心を寄せ、地域各国と観点を共有していることを高く評価し、ベトナムは一貫して、1982年の国連海洋法条約を含む国際法を尊重し、外交プロセスと法律の原理を十分に尊重し、武力を使用せず、武力を用いて脅かすことなく、軍事化して一方的に情勢を複雑化させるような行動を引き起こさず、平和的手段によって南シナ海の係争を解決し、南シナ海における平和、安定、治安、安全、航行と航空の安全を維持し、DOC(行動宣言)を厳格に実施し、COC(行動規範)を早期に作成するとの考え方であることを強調した。
フイン常務は、米国を含め、南シナ海の平和、安定、気候変動・環境保護対策面での協力、アジア太平洋地域における開発協力の推進おける域内外各国の積極的な役割を歓迎した。
フイン常務は、米国が、ベトナムを含むアジア太平洋地域と引き続き協力を強化するよう期待すると述べた。
ベトナムの党と国家の指導部に代わり、フイン常務は、2017年のアジア太平洋経済協力会合(APEC)への出席にあたり、米国大統領がベトナムを訪問するよう伝達した。
ケリー長官は、米国政治の重要な時期にフイン常務およびベトナム共産党代表団が訪米したことに謝意を述べ、これを高く評価するとともに心から歓迎の意を表明し、オバマ大統領からチョン党書記長およびクアン国家主席に、越米関係の発展を重視するとのメッセージとともに、挨拶と親愛の言葉を伝えた。
ケリー長官は、米国としては、11月8日の大統領選挙の後もアジア太平洋地域への「リバランス」戦略を進め、ベトナムを含むASEANとの関係を重視していくことを強調した。
ケリー長官は、両国最高指導者の歴史的訪問後をはじめ、これまでに越米関係が積極的に発展していることを喜ばしく思うと述べ、また、越米関係発展に対する両国指導者たちの過去20年以上にわたる重要な貢献に感謝すると述べた。
ケリー長官は、ベトナムの位置づけと役割を引き続き重視し、ベトナムを域内で重要なパートナーであると見なし、2013年の越米韓の包括的パートナーシップに関する共同宣言および2015年の越米共同ビジョンの宣言に従って、二国間関係を強化し、優先的各分野においてベトナムとの間のコミットメントの実施の推進に尽力することを確約した。
また、ケリー長官は、経済、貿易、教育、科学・技術、国防、戦争被害の克服の各分野における協力、環太平洋経済連携協定(TPP)の批准に向けた努力を優先していくことを強調し、1982年の国連海洋法条約を含む国際法を基本原則とした南シナ海問題に関する米国のアプローチについて説明し、各当事国が仲裁裁判所の判決を遵守し、南シナ海における平和、航行・航空の自由を保障するよう呼びかけた。
ケリー長官は、フイン常務と基本的に意見が一致し、越米関係が、其々の国の利益のため、地域と世界の平和、安定、協力、発展のため、今後引き続きより一層力強く発展していくだろうと確信すると述べた。
ケリー国務長官は、米国がベトナム共産党との関係を重視し高く評価しており、ベトナムとの関係を実質的、包括的、効果的に促進するため、ベトナム共産党との関係を一層重要なチャネルと見なしていると強調した。
会談は、友好的、率直、実質的、オープンな雰囲気のなかで行われた。
会談終了後、米国政府を代表し、ケリー長官は、フイン常務およびベトナム共産党一行の歓迎会を開催した。
同日、フイン常務は、マイケル・フロマン米国通商代表、民主党および共和党に属する民主国際研究所および国際共和研究所との間で会見を行い、二国間関係および共に関心を有する地域と国際の問題に関し、意見交換を行った。
米国上院軍事委員会委員長のジョン・マケイン上院議員は、フイン常務に、同常務の訪米は、急速にかつ深化し戦略的重要性を増してきている越米二国間関係を強化するための重要な懸け橋と見なされると記した祝電を送った。
マケイン議員は、二国間の協力関係発展に引き続き貢献するため、ベトナムに早期に再訪したいとの期待を表明した。
また、フイン常務は、在米ベトナム大使館を訪問し、幹部・職員に向け、ベトナム国内情勢と、第12期党中央執行委員会第4回総会および第14期国会第2会期の基本的な内容を通報した。
10月26日、フイン常務および一行は、首都ワシントンを離れ、米国訪問日程を継続する予定である。
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( 翻訳者:メディア翻訳ベトナム語班 )
( 記事ID:2881 )