中国製品、ベトナムで日本製品を「冠し」売れ行き好調
2016年10月18日付 VietnamPlus 紙
ハノイにある日本の看板の店
日本の日経新聞は、「今年9月中旬、ハノイ中心部でオープンした3つの店舗は、世界中の多くの消費者がかなり見慣れた店の看板を掲げているようにみえる。赤い2つの四角形に、白字で日本語のカタカナとアルファベットが書かれているものだ」と伝えた。
誰かがこれを日本の有名な衣料品ブランド、ユニクロの本物の店であると信じても、責めることはできない。しかし店の内部は、無印用品と価格均一店のダイソーの小売店が交わったようなものだ。
外側が日本の色彩を帯びていることに異論はない。店の看板から商品棚、値札まで日本語で書かれている。しかし、陳列されているほとんどすべての商品は、中国で製造されたものだ。
製品の裏面に書かれた説明によると、メイソウという名の店は、日本の東京の、にぎやかな銀座のショッピングエリアに事務所がある同じ名前の会社によって運営されているという。
この会社は、約80店舗を有しており[訳注:同社ホームページによると毎月80-100店舗が新しくオープン]、店舗は主に中国に置かれている。ハノイのメイソウの各店舗は、このブランドの、ベトナムでオープンした最初のビジネス拠点である。
メイソウは中国の会社ではないかと聞かれると、ベトナムの店舗で働く28歳の店員はこう答えた。「ここで取り扱っている商品は日本企業の自社製品ですが、中国で生産されたものです」。この店員は、さらに付け加えた。「もしメイソウが中国製品の店でしたら、それはiPhone も同じではないですか?」
メイソウ店内での、商品・食品・化粧品や事務用品の陳列の仕方は、どの価格均一店にも似ている。しかし、包装の仕方は人々が無印良品やユニクロでみられるようなやり方と似ている。
これらの商品の価格も、ベトナム庶民の標準的な平均生活水準と比べると、安いとは言えない。一例を挙げると、例えばスキンケアクリーム1瓶は13万ドン[訳注:およそ610円]で売られている。
メイソウはかなり良いマーケット戦略を実施したといえるだろう。日本ブランドを愛好するベトナム人が多いことに加え、日本企業式のマナーも取り入れることで、売上があがることが期待できるからだ。
「韓国商品」を冠するのも、別の、広がりつつある商品販売戦略である。九月の初頭、ハノイ市とホーチミン市に、ある系列の他の雑貨店も開店した。
その店はイラフィという名で、韓国語で書かれたブランド名が付いた商品を販売している。しかしメイソウのように、ここで販売されているほぼ全ての商品が中国で生産されたものだ。これらの店舗は、韓国のテレビドラマでいつも見ている「ファッション」性にあふれた韓国製品を好む、若い女性客で常にとても混雑している。
現在ベトナムの多くの店では、中国製品があふれている。これらの商品の中には、その品質に疑問が感じられるものや、食中毒もしくは電池の爆発が確認されるなど問題の多いものが少なくない。
しかし、ベトナムの消費者が中国製品への信頼を置いていない時でも、ブランドやロゴに少しアイディアがあれば、中国製品の売り上げを大きく伸ばすことにつながりそうである。
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( 翻訳者:窪田真人、島田実可子、安井理絵 )
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