日本が安全な野菜生産の知識をベトナムに移転:長野県知事が国家主席と会談
2016年10月24日付 VietnamPlus 紙
阿部長野県知事(左)と会談するチャン・ダイ・クアン国家主席
10月24日の午後、大統領官邸においてチャン・ダイ・クアン国家主席は、現在訪越中の日本の阿部守一長野県知事と会談した。
長野県知事との会談の際にチャン・ダイ・クアン国家主席は、「ベトナムは、日本を、ベトナムのトップレベルの長期的な重要なパートナーと考えている。同時に、日本の長野県を含む各地方との協力強化、交流拡大を常に重視している。ベトナムと日本の協力関係のさらなる促進のためだ」とした。
長野県知事一行がベトナムとの協力関係強化を決意し重視していることを高く評価するとともに、チャン・ダイ・クアン国家主席は、「今回の訪問は、県知事と代表団が、ベトナムの社会経済発展や日本の国と国民に対するベトナム人の誠実な気持ち、ホスピタリティの心について、より理解を深める機会になると信じている」とした。
国家主席は、長野県とベトナムの計画投資省、農業地方開発省による、経済協力促進に関する覚書と農業協力促進に関する覚書の締結を歓迎した。
国家主席は、「長野県知事と行政機関は、同県の各企業による、製造・電子・精密機器など、長野県の強みがある分野や裾野産業分野への投資の強化を促進しなければならない」と要請した。また、ベトナムは、長野県の企業が投資・経営に成功するために有利な条件を整える準備ができていると述べた。
農業協力においては、チャン・ダイ・クアン国家主席は、ベトナムやベトナムの各地方の農業発展と、ハイテク農業の人材育成における長野県の援助を求めた。
国家主席は、長野県のクリーンな野菜栽培の知識を移転するアイディア、特に、“奇跡の村”、川上村の村長のアイディアを歓迎した。それは、ベトナムに専門家を派遣して技術移転を行い、若いベトナム人労働者を村に受け入れて経験を学べるようにする形式のアイディアだ。また、「この試みは、農業・農村の工業化・現代化実現に向けた、ベトナムにとって間違いなく効果的、現実的な協力内容になるだろう」とした。
国家主席は、阿部知事と川上村村長が、この分野における二国間の協力関係の推進に関心を払い、日本の川上村のモデルをベトナムの各地方に拡大していくことを要請した。また、特に県に強みがある分野でのベトナム人労働者の受け入れに適した体制を整えると同時に、県に強みがある分野である観光の、ベトナムとの協力強化も要請した。
一方、阿部知事は、「ベトナムに対する長野県の投資協力の機会はまだ大きく、現在、県の企業およそ40社がベトナムで投資をはじめたばかりだ」とした。
阿部知事は、今回の代表団の訪問を通じて、今後、農業や製造業など強みをもっている分野において、より多くの企業がベトナムで投資を進めていくことを望む、と表明した。
長野県の“奇跡の村”のモデルの発展に言及した阿部知事は、「長野県は奇跡の村で働くベトナム人研修生を数多く受け入れてきた。これを通してクリーンな野菜栽培の知識と安全で高品質な野菜の生産の知識をベトナムに移転することに役立ってきた」と伝えた。
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( 翻訳者:窪田真人、島田実可子、安井理絵 )
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