ベトナムの労働者を最も惹きつけている東北アジアの3市場
2016年11月03日付 VietnamPlus 紙
労働力輸出で出国するため、韓国語の試験を受けた労働者
2016年の10か月間で海外に働きに出たベトナム人労働者の総数は約98,000人であり、この数字は2016年計画を100%達成し、前年同期比16.98%増である。
特に、韓国市場の再開は他の労働輸出市場に大きな影響を与えた。
ベトナムプラス記者は、ベトナム労働傷病兵社会省次官であるドアン・マウ・ディエップ氏と、今後の労働輸出市場の発展について話した。
―次官、台湾(中国)は常に最も多くのベトナム人労働者を受け入れている市場であり、その数は毎年増え続けています。しかし、この市場はここ9か月間、前年同期比13.83%減となっています。こういった状況の原因を教えてください。
次官:台湾市場における減少は、韓国市場再開の影響を受けています。
先日、我々は韓国行きを希望する労働者のための韓国語試験を実施しました。受験者21,000人のうち行くことができるのは2,100人のみであるにもかかわらず、多くの労働者がこの市場での仕事に就くことを希望しました。多くの労働者が他国で仕事に就く準備として勉強していましたが、韓国語試験のためにそれを止めたのです。
先日の韓国語試験では合格点は152点で、152点を上回った約2,100人の受験者のみが選ばれました。このように、狭き門であるにもかかわらず韓国市場での労働希望者はかなり多い一方、日本などの市場は毎年30,000~35,000人を受け入れており、台湾には70,000人です。
多くの労働者は韓国に渡るために韓国語試験を受けたいと思っているので、台湾市場に関心がありません。しかし、わずか2,100人しか合格しなかった韓国語試験が終わり、労働者たちは他の労働輸出市場も選び始めています。
―日本もベトナム人労働者を惹きつける市場ですが、こちらも台湾市場のように韓国市場の再開の影響はありますか。
次官:近頃、日本労働市場も厳しくなってきています。こちらも主な原因は労働者が韓国市場により興味をもっていることです。しかし、日本市場はまだ人数が順調に増えています。
現在、労働者たちの日本市場行きは今もうまくいっています。特に、日本は受け入れる職種をさらに拡げました。高層ビルなどのメンテナンス、清掃といったような業種で、外国人労働者を受け入れ始めました。日本は現時点で3年間の滞在期間を5年に延ばす法案の検討もおこなっています。
今年末から2017年にかけて、日本、台湾、韓国市場は引き続き主な労働輸出先となるでしょう。
―韓国市場再開の他、今年、タイもベトナム人労働者の受け入れを開始しましたが、こちらの市場の発展はどのようになっていますか。
次官:タイについては、この市場はまだ建設労働者と近海漁業者のみの受け入れとなっています。しかし、この市場はマレーシアやサウジアラビアなどの市場、またより魅力のある台湾、日本、韓国といったほかの市場よりも賃金が低く、魅力的ではないので、労働者は興味を持ちません。
タイで労働者を受け入れている近海漁業の場合、タイの漁船は他の市場の船ほど近代的ではなく、安全性や賃金が低いのです。そのため、労働輸出業者はより良い受け入れ先を探そうと努力していますが、安心して労働者を選抜して行かせるほどの賃金交渉がまだうまくいっていません。
―近い将来、ベトナム労働傷病兵社会省は既存の市場の発展や、新たな市場開拓の計画はありますか。
次官:ベトナム労働者を定期的に受け入れているサウジアラビアについては、ベトナム労働傷病兵社会省とサウジアラビア労働省は、サウジアラビアで働くベトナム人労働者をより守るため、職業、賃金、労働関係に関する条件の見直しをする最初の実務会議をハノイでおこないました。ベトナムは労働者が行った先でリスクを回避できる、より良い体制をアラブ首長国連邦(UAE)市場がもつことを望んでいます。
高所得市場の開放については、現在、我々はオーストラリア、ニュージーランドといった国と労働者の派遣について合意しましたが、数百人ほどのごく少数にとどまっています。最近、ベトナム労働傷病兵社会省は、農業や建設業を主とし、残業を含めないで月750USDという高賃金である、イスラエルといった他の市場との交渉も行っています。
しかし、イスラエルの指導者が懸念していることの一つに、労働者の失踪状況があります。ベトナム人労働者の失踪率は、韓国で40%、台湾では17~18%となっています。
実際、海外での失踪は新たな市場との交渉に影響を与えます。ベトナム人労働者の現在の失踪率を見ると、よりよい新たな市場の開拓交渉は難しく、高賃金も見込めないため、こういった状況を緩和する対策を実施すべきです。
―ありがとうございました。
*各企業からの報告資料によると、2016年の10か月間で、海外に働きに出るベトナム人労働者の総数は98,410人(うち36,643人は女性)で、2016年計画の98.4%を達成し、前年比の116.98%となっている。
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( 翻訳者:樋口由里子 )
( 記事ID:2947 )