去る8月1日、ジャカルタのナショナル・ギャラリーで開催された大統領官邸所蔵美術品展の開幕式にて挨拶をするジョコ大統領
ジャカルタ、KOMPAS.com配信
ジョコ・ウィドド大統領はインドネシア・ウラマ評議会(MUI)の提案する、来る12月2日に予定されている金曜代礼拝後の国民的関係修復の実施(*註釈1)に関して発言した。
ジョコ大統領は、上述の「国民的関係修復」という語が適切ではないと評した。
「何の関係修復なのか、誰とのケンカなのか。そもそも誰もケンカなどしていないではないか」とジョコ大統領は、11月29日、大統領官邸テラスでの国民覚醒党のムハイミン・イスカンダル党首との昼食ののちに述べた。
ジョコ大統領は今現在の国民の状態は良好で、国民的関係修復は必要ではないと評価した。
同大統領は、インドネシア・ウラマ評議会、ナフダトゥル・ウラマ理事会、ムハマディアなど、さまざまなイスラム団体と行われた会合について触れた。
「われわれにはなにも問題は起こっていないと私は思っている。ひとたびわれわれが各方面に喚起するべきなのは、多様性、建国五原則(*註釈2)、単一国家インドネシア共和国、多様性の中の統一、これらの重要性ただそれだけだ」と同大統領は述べた。
国民的関係修復は去る11月28日、ジャカルタのインドネシア・ウラマ評議会事務所で開かれた警察庁長官ティト・カルナフィアンとファトワ遵守者全国運動(GNPF)代表との会談後、インドネシア・ウラマ評議会会長マルフ・アミン氏によって提案された。
マルフ氏はこの会談を良い兆しであると評価した。12月2日のイベントの後、進展があるよう期待しているという。
警察長官の合意を受け、GNPFは独立記念広場において合同の祈祷と金曜大礼拝を開催することを決定した
「願わくば、ひきつづき後続的な動きがあることを望む。すなわち、全国民の関係修復に向け、国民の一体性と団結を再び強くするための対話があることを提案していきたい」とマルフ氏は語った。
「愛する国を平和で安全で豊かな国へと発展させるべく、互いに尊重し、尊敬し、助け合うひとつにまとまった国民に再びもどるように」とマルフ代表は述べた。
註釈1: 来る12月2日、バスキ・チャハヤ・プルナマ・ジャカルタ首都特別州知事(通称アホック)がイスラム教を冒涜する発言をした容疑に対し、バスキ知事の身柄拘束を求める大規模集会が開かれた。
註釈2: 唯一神への信仰・人道主義・インドネシア統一・民主主義・社会正義の五原則を掲げる。「多様性の中の統一」は国家の標語。
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( 翻訳者:園田隆盛 )
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