ハノイとホーチミン市で光化学スモッグ包囲網の警告
2016年09月30日付 VietnamPlus 紙
ホーチミン市の路上での粉塵
環境総局からの情報によれば、環境中の大気汚染の増加に伴い、ベトナムは特異な大気汚染の一種である光化学スモッグに直面している。光化学スモッグとは、太陽からの紫外線、車両排気、産業排気の相互作用によるものである。
光化学スモッグは現在、ほとんどの都市中心部に発生しているが、交通量が非常に多く排気ガス量が大きなハノイとホーチミン市で特に顕著である。
2011年-2015年国家環境報告書によると、ベトナムにおける光化学スモッグ汚染の原因は、東南アジアの国々からの国境を越えた大気汚染の問題が原因であり、その中でも特に中国、台湾が原因に挙げられる。
インドネシアなどの一部の国々における森林火災や季節的な焼畑農業の煙などにより、東南アジアにおける光化学スモッグの発生は近年増加傾向にある。インドネシアからの南西風にのった汚染は急速に拡大し、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム南部などの近隣諸国へ重大な影響を引き起こしている。
ベトナムでの光化学スモッグは、天気が乾燥して暑い夏の間に顕著に出現し、近年増加している。また、気温逆転が起こる期間も光化学スモッグが発生するための条件を整えた。こうした現象は、ハノイ、ホーチミン市などの大都市では特に顕著で現れている。
2011年-2015年の空気の質の指標から見た空気の質の評価結果によれば、とりわけ大都市で指標よりも少なかったり悪い日の割合が高い。グエン・ヴァン・クー通り(ハノイ市ザーラム区)では、2014年1年間で観測日数の50%以上が指標よりも少ない数値になっていた。人体に影響を及ぼすほど指標を下回った日もある。
環境総局の副所長ホアン・ズオン・トゥン博士によると、光化学スモッグは、大気汚染の中でも特別なものである。イギリスのロンドンで1952年に1万人が亡くなった産業の大気汚染とは異なるものの、呼吸器疾患を引き起こす可能性がある。
現在、ベトナムの北部と中部全域は、中国東部、東北部、東南部、あるいは台湾からの排気から大きな影響を受けていると見られる。ベトナムにおけるいくつかの研究は、冬の北東モンスーンによって汚染物質が運ばれており、ベトナム北部の空気中に大気汚染や細かいほこりをもたらしているとしている。
国家環境現状報告書はまた、各研究はベトナムにおける国境を越えた大気汚染問題は今の所限定的であるとしているものの、酸性雨や越境する光化学スモッグなどの問題の一定の影響の兆しが表れているとしている。
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( 翻訳者:山田英輝 )
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