ベトナムにおける地雷の汚染と後遺症克服の状況を公表
2017年03月28日付 VietnamPlus 紙
2016年12月、フーイエン省での225キロ爆弾の不発弾処理
「国際地雷デー(4月4日)」に際して、3月28日午後ハノイで、労働・傷病兵・社会省はベトナムにおける戦後の地雷の汚染や後遺症克服作業の状況についての記者会見を開いた。
同省の報告によれば、ベトナムは世界で最も広く地雷に汚染され、深刻な後遺症をこうむっている国の一つである。推計では、戦後にまだ残る爆弾は約80万トンで、汚染されているところと、汚染されていると思われるところの総面積は約613万ヘクタールで、全国の総面積の18.82%を占めている。
不発の地雷などが現在まだ63省・直轄都市のすべてに散在しており、その中でも中部の各省に集中している。1975年から現在まで、残留していた地雷の爆発によって4万人余りが亡くなり、6万人が負傷した。その大部分は家族の主たる働き手や子どもである。中部の幾つかの省(ゲアン、ハーティン、クアンビン、クアンチ、トゥアティエン・フエ、クアンガイ、ビンディン)は、地雷による被害者が2万2800人以上にのぼり、そのうち1万540人が亡くなり、1万2260人が負傷している。
工兵司令部の統計によれば、ベトナム戦争中に米軍が使用した爆弾は約1530万トン余りで(そのうち飛行機から投下されたものが780万トン余り、地上で使用されたものが750万トン)、不発弾の割合は使用された爆弾の約5%を占めている(外国の資料は10%としている)。まだ残っている各種の地雷や爆発物のすべてはきわめて危険であり、生産労働や生活の中で作用を受けて爆発したり、機械学的・物理学的・化学的原因によって自ら爆発する可能性がある。
戦争が終結した直後、党と国家は戦後の地雷・爆弾物の後遺症克服が緊急の任務であり、また恒常的で長期にわたる任務であるとした。とりわけ、これまで行われてきた地雷による被害者支援事業は、多くの重要な成果を収めており、被害者の人々のニーズに幾分か対応し、地雷被害者がコミュニティに溶け込む条件づくりをしてきた。
被害者支援事業について、労働・傷病兵・社会省のトー・ドゥック社会支援局副局長は、次のように述べている。「地雷被害者は、地雷による災難を受けた身体障碍者だとされる。そのため、地雷被害者に対する政策は、身体障碍者に対する政策の中に組み込まれる」
従来、党、国家、政府は地雷被害者に対する政策メカニズムの展開に常に関心を払ってきた。代表的なものとしては、身体障碍者法:社会保護対象者に対する社会支援政策を規定する政府議定136号(2013年):2012‐2020年段階における身体障碍者支援プランを批准する首相決定1019号、などがある。それらによれば、地雷被害者は、社会補助金(生活保護金)、葬式費用援助、リハビリ援助などを受けられる対象となっている。コミュニティや家族で扶養されず世話を受けられない場合は、社会保護施設で扶養される。
労働・傷病兵・社会省は具体的な規定をして、次のように各地方を指導している。補助促進計画を策定し、雇用創出と結びつけた職業訓練を行ない、地雷被害者の生計モデルをつくる;サービスを提供するインフラの発展を重視する。その中には、治療を提供し、サービスを伝達し、対象者にコミュニティ参入を援助するためのソーシャル・ネットワークを含む;教育・訓練省と協力して、地雷被害者用の専門的教育モデルをつくって促進する。統計によれば、全国には現在、40の社会事業センターと400の公立・非公立のリハビリ社会援助インフラが存在している。
トー・ドゥック副局長は、地雷被害者支援における困難や限界を示し、以下のように考えている。今後、地雷被害者や重い身体障碍者に対する政策を引き続きしっかりと実現していく必要がある;援助サービスと社会事業センターを発展させ、その中には、地雷被害者が必要な時に繋げられ、タイムリーな援助を受けられるためのホットラインの電話番号を含む。同時に、国家は病院やリハビリセンターを引き続き発展させる必要がある;各地方が生計モデルをつくり、職業教育をし、雇用を創出する、などを援助する。
計画によると、「国際地雷デー」の記念式典が共産青年団中央とクアンナム省党委、同省人民委員会の共催で4月4日午前に開催される。さらに、ベトナムの地雷被害者後援会による交流プログラム「明るい明日への道程」が、4月4日の夜、ハノイで開催される。
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( 翻訳者:安部勇輝、佐々木健眞、福原百那 )
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