インドネシア・ウラマ評議会、ソーシャルメディア使用に関する5つの禁止事項、ファトワを発する
2017年06月07日付 Kompas 紙
インドネシア・ウラマ評議会のマルフ・アミン議長は、情報通信省のルディアンタラ大臣に、ソーシャルメディアを通じた刑と民事法の指針に関する2017年第24号ファトワを手渡した。
ジャカルタ、kompas.com配信
インドネシア・ウラマ評議会(訳注1)は、ソーシャルメディアを通じた刑と民事法に関する2017年第24号ファトワ(訳注2)を発した。
インドネシア・ウラマ評議会のマルフ・アミン議長は、上述のファトワはソーシャルメディアを通じた憎悪および敵意に基づく発言が過剰になっていることへの懸念に基づいている、と語った。
上述のファトワは、フェイクニュースや人びとの対立を煽る内容を含むソーシャルメディアの文章が拡大することを予防できると、マルフ議長は期待している。
「そのファトワの内容は、嘘や対立を煽るニュースを禁じるほかに、すでに憎悪や敵意に向かっていると強く感じられるものも禁じている。つまり、宗教によって禁じられていることである」と、去る6月5日に中央ジャカルタ市の情報通信省で実施された、インドネシア・ウラマ評議会ファトワ公開討論および記者会見において、マルフ議長が述べた。
上述のインドネシア・ウラマ評議会のファトワには、イスラム教徒がソーシャルメディアを使用する上での禁止事項が明記されている。
インドネシア・ウラマ評議会のファトワ委員会は、すべてのイスラム教徒はイスラム法に基づく民事の取り決めを有するので、ソーシャルメディアで他人の悪口や恥を話すこと、中傷すること、対立を煽ること、敵対関係を拡大することを禁止されている、と述べている。
インドネシア・ウラマ評議会はまた、侵害行為、ヘイトスピーチ、種族、宗教、人種や集団間の敵対関係への発言を禁じた。
また同様に、イスラム教徒が正当な理由があっても、まだ生存している人間を死亡したとするような騙しや嘘の情報を広めることを禁じた。
イスラム教徒はまた、わいせつ物や姦淫などイスラム法でタブーとされているあらゆる物事を広めることが禁じられている。また、真実であっても時と場所にふさわしくない内容を広めることも禁じられている。
インドネシア・ウラマ評議会は、人々が正しくないコンテンツや情報を作成、普及し、そしてアクセスできるようにする活動も禁じている。
その他にも、騙し、陰口、中傷、噂話、いじめ、恥辱、ゴシップといった内容の情報を提供するソーシャルメディアにおける意図的な情報拡散活動は、営利的であっても非営利的であっても利益獲得のためにプロとして活動していることと同種であり、法で禁じられている。
「そのようなサービスを命じたり、支持したり、協力したりする者や、そうしたしたサービスに便宜をはかる者も同様である」とマルフ議長は述べた。
マルフ・アミン議長は、インドネシア・ウラマー評議会のファトワを情報通信省のルディアンタラ大臣に手渡した。同議長は上述のファトワがソーシャルメディアにおけるネガティブなコンテンツの数々を予防できるであろうと期待している。
ルディアンタラ大臣は、情報通信省側も現場において、ファトワ実施に関してインドネシア・ウラマ評議会と調整し連絡を取るつもりであると強調した。
ルディアンタラ大臣は、「このファトワはあらゆるネガティブなコンテンツを防止できると期待している。私たちは、社会生活において禁止されているあらゆる慣行について解釈するためにインドネシア・ウラマ評議会へ指針を求めていくつもりである」と述べた。
(訳注1)インドネシア・ウラマ評議会(MUI):宗教学者が様々な問題に対し、イスラム法に基づいた見解を示す官製のイスラム法学組織
(訳注2)ファトワ:イスラム法に基づく宗教学者の見解
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( 翻訳者:富家小春 )
( 記事ID:3516 )