シンポジウム「ホー・チ・ミンとロシア10月革命100周年」
2017年05月20日付 VietnamPlus 紙
ホー・チ・ミン研究所の庭にあるホー主席の像に花を捧げに訪れたロシアのベトナム人コミュニティの人々
ホー・チ・ミン研究所の庭にあるホー主席の像に花を捧げに訪れたロシアのベトナム人コミュニティの人々

 ホー・チ・ミン国家主席の生誕127周年を記念し、偉大なロシア10月革命の100周年を祝する一連の活動の幕開けとなるイベントとして、5月18日、ロシアのサンクトペテルブルクにあるホー・チ・ミン研究所にて、「ホー・チ・ミンとロシア10月革命100周年」という学術的なシンポジウムが催された。
 出席したのは、サンクトペテルブルク総合大学東洋学科の学部生や修士の院生、海外からの研究者だ。ホー・チ・ミン国家政治学院の准教授で副所長のレー・クオック・リー博士が、学院の派遣代表団の団長として、シンポジウムでの協議に貢献した。
 シンポジウムの開幕演説で、ホー・チ・ミン研究所の所長である、ウラジミール・コロトフ氏は、救国のために祖国を発ったホーおじさん(ホー・チ・ミン国家主席)の道程や活動の一生を振り返った。その中で、サンクトペテルブルクは、ホーおじさんがレーニンの故郷に足を踏み入れた最初の場所だ。
 ロシアと10月革命は、ホー・チ・ミン元主席をマルクス=レーニン主義の思想に触れさせ、彼にこれをベトナムでの民族解放革命と社会主義国家建設のための指針に選ばせることとなった。2017年は、ロシアでは偉大なるプロレタリアート革命100周年記念の年であり、またベトナムでは、敬愛されている指導者(ホー・チ・ミン)の生誕127周年記念の年である。そして、彼の一生については、今日までロシアとベトナムのとても多くの学者が研究し、今日まで本を執筆してきた。
 救国の方法探しの過程において、自らの政治的洞察力や、歴史分析を通して、指導者グエン・アイ・クオックすなわちホー・チ・ミンは、マルクス=レーニン主義こそがベトナム民族を救う唯一正しい道であると認識した。道を探す人の役割を果たした後、ホー・チ・ミン主席は道を切り拓き、全ベトナム民族を10月革命で示された道に従って進むよう導き、民族を開放し、社会主義国家を建設した人物となった。
 他の報告で、ベトナムの教授や博士は、ロシアの十月革命の長期的に存在する価値に関する意義と規模についての分析を示した。特に、路線に関して危機的だった最初の頃からホー・チ・ミンがベトナム革命のための思想系統を選択する過程におけるホー・チ・ミンのヴィジョンや、ホーおじさんの模範と永久に存在するホー・チ・ミン思想が100年以上認められていることに関しての分析である。
 ホーおじさんに関する研究は内容が大きい。広義ではロシアの、狭義ではロシア連邦のベトナム学分野のゆりかごとなっているサンクトペテルブルクの、ベトナム学分野における最も重要な内容が入っている。シンポジウムで発表されたベトナム学分野の学生の各報告は、ベトナム民族の指導者に対するロシアの若い世代の実践的な関心を示すものであった。
 ベトナム語やベトナム国家についての初歩的な知識を以て、学生達はまだ研究の進んでないホー・チ・ミンの在露時代の活動についての史料の研究に力を注いできた。特筆すべきは、[そうした史料と]ホー・チ・ミンの伝記に関するロシア語の史料の比較への各学生の関心である。彼らのベトナム語力とロシア語により、かなり以前から研究されていた史料を補完することに貢献できた。
 ホー元主席に対する研究とリスペクトを広めていくことに貢献し、ロシアにおけるベトナム学分野の若い世代を励ますために、レー・クオック・リー教授は、ホー・チ・ミン国家政治学院を代表して、学生とロシア文書館にベトナム人民の天才的な指導者や民族解放の英雄、世界文化著名人、祖国の独立と人民の自由・幸福のために全人生を捧げた人に関するベトナムで出版されたばかりの本を贈呈した。
 サンクトペテルブルクではまた、ホー・チ・ミン生誕記念式も5月19日に厳粛に行われた。サンクトペテルブルクで学んでいるベトナム人大学生やサンクトペテルブルク在住ベトナム人協会の代表者、コミュニティの人々といった大勢の人がホー・チ・ミン研究所の一角にあるホー元主席の像を訪れて花を捧げ、彼に対する感謝と尊敬の気持ちを届けた。また、この日は、ロシアの元兵士や市の行政府の代表者、サンクトペテルブルク総合大学ベトナム学学科の幹部と学生の姿もあった。
 ホー・チ・ミン生誕127周年記念を機に、サンクトペテルブルク州のゲオルギー・ポルタフチェンコ知事は、ホー・チ・ミン研究所とベトナム学分野の学生全体に祝福の手紙を送った。
 更に特別なのは、ウラジーミル・イリイチ・レーニンによる10月革命の指導者の執務室のすぐ隣の、市の行政府が置かれていたスモーリヌイ聖堂で、画家アレクセイ・クズネツォフ(1916-1993)の小さい展覧会を行ったことだ。彼は、1960年から1962年までベトナムで仕事をしていた頃、ホーおじさんの絵を描いた画家だ。そして、多くの絵がベトナム美術館に展示されている。
 ロシアのベトナム通信社特派員に、この画家の妻と娘は次のように語った。「亡くなった画家クズネツェフは、ベトナムで働いていた頃100点あまりの絵を描いた。ホーおじさんのを描いた絵を、彼は自分の作品の中でも最も重要な創作だと考えていた」
 これまで、この画家の家族は、ホーおじさんが画家に贈った仕事用の籐製のテーブルを、質素な指導者、ベトナムの英雄の貴重な思い出の品として今も保管している。
 今回の展覧会は、まさに画家クズネツォフの家族が、ベトナムとホーおじさんに対する愛情をベトナム人の人々にもう一度示す機会であった。その愛情とは、この画家が自分の精神的な遺産と共に残し、彼の家族の心の奥深くに浸みこみ、自発的に維持していこうとするような愛情である。

参考記事:「キューバ在住ベトナム人がホー・チ・ミン元主席生誕127周年を記念」http://www.vietnamplus.vn/nguoi-viet-tai-cuba-ky-niem-127-nam-ngay-sinh-chu-tich-ho-chi-minh/447321.vnp

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:安部勇輝 )
( 記事ID:3517 )