自然災害は社会の収入に影響を及ぼし、子どもに早くからの労働を強いてしまう
2017年06月13日付 VietnamPlus 紙
子供たちにとって大きな脅威となっている天災
国際労働機関(ILO)は以下の様に警告した。「気候変動の影響によりベトナムで起こっているより深刻で頻繁な自然災害は、もし適切な予防措置が取られなければ、多くの小さい子供たちを児童労働者にしてしまう」
これは労働傷病兵社会省がILOとともにハノイで6月13日に行った「自然災害と気候変動のなかで児童労働を阻止する方法と政策活動」ワークショップで提示された情報である。
ベトナムは気候変動の影響を最も大きく被る5か国のうちの一国であり、ベトナムにおける自然災害は日増しに深刻にそして予見が難しくなっている。農業農村発展省によると、ベトナムは2016年だけでも干ばつ、洪水、塩害を含む20以上の天災を被った。
そうした中、ベトナムの人口の70%近くが農村部に住んでおり労働力の40%以上が農業分野で働いているため、彼らは自然災害の余波による労働、仕事、社会保障面での影響を容易に受けやすい。
こうした状況に、ベトナムILO代表のチャン・へー・リー氏は以下の様に強調した。「自然災害が多くの家族の生活と経済を破壊したために子供たちは彼ら自身と家族が生き残るために勉強を捨てて働きに出なければならないという選択肢しかないのだ」
労働傷病兵社会省の次官であるグエン・チョン・ダム氏もまた「子供たちは自然災害と気候変動の影響に最も損害を受けやすいグループの一つである」とした。
グエン・チョン・ダム次官によると、ベトナムには自然災害の緊急事態における子供たちと家族への各支援政策と共に、自然災害の阻止と軽減、気候変動への対応のための戦略と法的規格がある。政府もまた自然災害の影響を受けた各家族がそれを克服できるよう援助する。自然災害において子供たちを保護し、児童労働を阻止するには、各行政レベル、各部門、各社会組織の参加が必要である。
ワークショップにおいて専門家たちは「自然の力を制御する私たちの能力は限定的だが、その結果の克服のための措置を準備することはできる」と述べた。ベトナムのILO代表は、対応を準備するトレーニング活動を実施し、コミュニティ支援グループと経済復興プログラムの検査体制を確立する必要がある、と述べた。
ベトナム政府とILOが2012年に行った、児童労働についての全国調査によると、全国で175万の児童労働者がおり、それは全国の子供の人口の10%近くを占めているとの事だ。
2017年5月、グエン・スアン・フック政府首相は2025年からあらゆる形態の児童労働を排除するための具体的目標を含む、持続可能な開発のための2030アジェンダプログラム実現のための国家行動計画を公布した。
ベトナムもまた「8.7連合」形成のための協議を世界で最初に提唱した国々の一つである。「8.7連合」は、児童労働、強制労働、現代の奴隷制、人身売買の問題解決を目的とした持続可能な開発目標の、「ターゲット8.7」達成のための関係各者のネットワークである。
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( 翻訳者:山下萌佳 )
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