日本の専門家による行政改革に関するレクチャー(於:ハノイ)
2017年07月11日付 VietnamPlus 紙
日本の行政改革についてレクチャーする塚本壽雄教授
日本の行政改革についてレクチャーする塚本壽雄教授

 7月11日、党中央組織委員会は、日本国際協力機構(JICA)との共催で、「中央政府と地方政府の機構改革に関する日本の経験」と題したレクチャーを開催した。
 講義には、早稲田大学公共経営大学院の塚本壽雄教授と、政策研究大学院大学の高田寛文教授(Young Leaders Program ディレクター代理)の2名の教授が参加した。
 レクチャーは、全国73の地点と中継を繋ぐかたちで行われた。ファム・ミン・チン党中央組織委員長(党政治局員・党書記局員)がハノイでの講義に参加した。
 グエン・ティエン・ニャン・ホーチミン市党委書記(党政治局員)が、ホーチミン市から(中継で)参加した。
 開幕スピーチにおいて、マイ・ヴァン・チン党中央組織委員会副委員長は、中央政府と地方政府の組織・機構改革に関する日本のいくつかの経験を参考にし、意見交換を行う今回の講義について、6中総で上程された「引き続き党の指導方式を刷新し、簡素な政治システムの組織・機構を構築し、効果的に活動する」に関する提案の検討に向け、党建設業務を行う幹部が日本の経験を参考にして、中央および地方における政治システムを構築するための環境を整えるべく開催されたと明言した。
 日本の中央政府における行政改革についてレクチャーを行ったうえで、塚本教授は、行政改革とは、あらゆる政府にとっての試練であると評した。改革の目標は、必要不可欠な公共サービスを供給し、問題点の聴取を通じて国民と企業の活動を支援し促進して、政府に対するこれら人々からの信頼醸成につなげる方向に向かうことである。
 塚本教授は、改革の基本原則として、政府機構の簡素化は現行の機能と任務を選択し、整理し、分類しながら、組織・機構の「削減」を通じ行われると指摘した。
 戦後の日本の行政改革の歴史を紹介したうえで、塚本教授は、行政改革は国の発展の原動力であると強調した。
 日本の政府機構に関する基本的な情報として、塚本教授は、立法(議院-最高権力機関)、行政(政府-首相は議院により選出される)および司法からなる中央政府の3つの枝について述べた。
 地方政府の2つの枝は、立法(委員は住民により選出される)および行政(県知事/市長は住民により選出される)である。地方政府は、県および県内にある市・町・村の2つのレベルから成る。地方政府は、中央政府と独立しており、行政と財政の面を通じて関係を有している。
 2001年の政府改革イニシアティブにおける中央省庁再編についてレクチャーを行う中で、塚本教授は、改革の結果、政府の組織・機構が23から13に削減され、政府首相の権力が強化され、また幹部および補佐機関が強化され、事業機関の設立を通じて機構を簡素化し、公務員総数を15%削減し、公共サービス提供分野の人員増加を抑制する等の目標を達成したと述べた。
 日本の地方自治についての経験について、高田教授は、日本国憲法では、第8章として地方自治について規定する個別の章を設けていると述べ、また、同章において、地方政府は地方の財産を管理し、当該地方の業務を処理し、行政活動を実施する権利を有していること、法律の枠組みのなかで自らの独自の規定を制定する権利を有していることを明らかにした。 
 高田教授は、1995年の地方分権改革について紹介し、地方分権改革を実施する以前、日本の地方政府は極めて多くの任務と業務を行ってきたとした。
 しかし、中央政府が、法令あるいは通達を通じて地方政府に対する義務の監査・検査を実施することで、「地方の自主性」を減じせしめた。
 そのため、日本における分権改革には、地方政府に多くの任務を委ねるというよりも、地方政府が任務を実施する際に、これら地方に対する中央政府の関与の手を緩める、あるいは排除する、とする目的が一部にあった。このことは、地方政府に、自らに関する決定を自主的に発出する権利の範囲拡大につながった。
 塚本教授と高田教授は、日本における第一級の専門家であり、行政改革、国家機構・組織の構築に関連する諸課題について研究や講義を行った多くの経験を持つ。
 今回のレクチャーにおいて、それぞれの教授が共有した経験は、中央機関、各省・県レベルにおいて党建設業務、政治システムの構築を行っている幹部たちが日本の経験を学ぶための環境を整備するものとなった。

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( 翻訳者:メディア翻訳ベトナム語班 )
( 記事ID:3635 )