９月27日にカントー市で開催される「西暦2100年までのビジョンを見据えた、メコンデルタ地域の気候変動適応・成長モデルの転換・持続的な発展」をテーマにした会議の全体討論主催に向けた準備のために、26日の午後、グエン・スアン・フック首相は自らヘリコプターで気候変動による影響を受けるメコンデルタの各地域の視察に赴いた。
　チン・ディン・ズン副首相や関連する省庁や部門、地域の指導部もこれに同行した。
　重要な意味を持つ今回の大きな会議の準備をした意図は、2017年７月のオランダ公式訪問でグエン・スアン・フック首相がオランダの世界的に有名な堤防などの治水施設をヘリコプターで視察し、気候変動や海面上昇に対応したオランダのデルタ地域の開発計画を自分の目で直に確認したことにある。
　この視察の直後に首相は「メコンデルタ地域の気候変動適応・成長モデルの転換・持続的な発展」会議の開催に関わる省庁や部門、地域の指導部に指示した。
　メコンデルタ地域は経済発展の可能性に富んだ地域であり、およそ1800万人のベトナム人が生活する場所である。この地域はベトナムの輸出用のコメの生産量の90％を産出し、水産物の輸出額の60％近くを占め、全国の果物の生産量の70％を占めており、全国のGDPの約18％を占めている。
　［国際河川である］メコン川の下流地域の一部でありしかも最も末端の側に位置する、という［ベトナムの］メコンデルタの特性があるため、このメコンデルタの社会経済発展のためのいかなる総合計画を提示するとしても、［メコン川］流域全体の発展の空間に位置づけられなければならない。
　メコンデルタ地域の将来にとっての「ジエンホン会議［延洪会議］（訳者注）」と考えられているこの大規模な会議で提示される数々の目標は、系統的、戦略的な、発展に関する考え方に関して突破口を開く、新しい決定的な方策でなければならない。優先する方向性を示し、この地域を区分する計画を立て、各関係者の参加を動員するための適切な政策システムを提案するものでなければならない。
　特に、プロジェクトや方策は、実現可能で運用しやすく、全地域や地域と地域をつなぐ性質を持つものでなければならず、［地域が］ばらばらになったり揺らいだりしないようにしなければならない。また、メコンデルタ地域の住民の生活の安定と発展を保証するための当面の及び長期的な方法や問題解決方法がとられなければならない。これに伴い、様々なリソース（ODA、優遇融資、融資、民間資本など）を最大限に誘致し、気候変動により大きな影響を受ける条件にあるメコンデルタ地域の持続可能な発展に充てる。
　９月26日には、以下のような各問題に関して深い専門的な内容の討論が３つ行われた。「資源環境相が議事を進行するメコンデルタ地域の開発モデル転換の課題・チャンス・方法の概観」、「計画投資相が議事を進行するメコンデルタ地域開発のためのリソースを調達・調整するメコンデルタ地域開発マスタープラン」、「持続可能な農業・水利の基盤整備・自然災害と土地の流出防止対策」である。
　翌日の９月27日にはグエン・スアン・フック首相が議長を務める全体討論会議が開催された。
　この会議は、ハイテク科学と現地で継承されている知識を結集させ、チャレンジをチャンスに変えることを基盤にした上で、持続可能な発展をし、潜在力を発揮し、自然条件と人と文化に合致した、一つのモデルを提示することが期待されている。メコンデルタ地域の住民の良い将来のためである。

訳者注： 1285年初め、陳朝の皇帝は延洪会議を開き、各地の威信のある長老達を当時の昇竜（ハノイ）に集め、蒙古の元軍を攻撃する方法を話し合った。長老達は皆、異口同音に戦うべきだと答えたという。その後実際に勝利したことから、ここでは、広く国民の意見を首脳が聞き経済的な勝利を目指すための決定打となる大規模な会議という意味で使用されていると思われる。

参考記事
「キエンザン省の海岸が流出。防護林600haを失う」
https://www.vietnamplus.vn/bo-bien-kien-giang-sat-lo-600ha-dat-rung-phong-ho-bien-mat/466563.vnp

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（ 翻訳者:阿部克哉、一橋弘人、森本悠太 ）
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